昨日に続いて口唇裂につぃてです。私の専門は小児外科です。日本では通常、口唇裂の手術は小児外科ではなく、形成外科、ときに口腔外科の専門医達が行っています。そのため、その専門医師でない私がやるよりは、もっとそれの経験を積んだ専門医がやるべきだという意見が時にあります。私は今まで同年代の医師よりも多くの手術をおそらくやってきたのだと思います。ですから普通の医師たちのように1例でも多くの手術をこなしたいという欲求も今はありません。この手術は私のためでは微塵もなく、もやむにやまれずやっているのです。また、私はどうすればより多くの医師たちがこのような子供たちを助けるために動いてくれるのだろうか。どうすれば次の世代の医師たちが少しでもレベルアップし日本にも良い影響を及ぼしてくれるのかと考えています。
いつも私は思うのです。多少横柄に聞こえても、私の本音は、次のようなものです。私のやり方が気に入らない人は、私の代わりにここへ来て、ここに日々住み、彼らのためにやってくれればいいのだと。私は喜んで、手術を彼らに任し、そして別の子供たちの為に、そのエネルギーを費やせるのだから。
医療は決してその社会を離れて存在しえません。日本には日本に見合った医療があり、ミャンマーにはミャンマーにあった医療がある。その求められるレベルは自ずとちがうのだということです。
日本の発想、日本の考えのみを持ち込んでやるのには私は反対なのです。
