一になる
2008年 08月 03日
先日心停止を起こし、何とか一命を取り留めた子供が、再び痰をつめ、呼吸停止になった。
それまでは自分で何とか呼吸できていたのだが。
相変わらず意識が戻らない。
待つしかない、、。
そんな状態だった。
緊急避難的に、気管内にチューブをいれ、大きなバッグで空気と酸素を送り込んだ。
ここは、電気事情も悪く、人工呼吸器は置いていない。あっても電圧の関係ですぐに壊れるだろう。酸素もいつも十分にない。そんな施設だ。
子供が、自分で呼吸を再開しない。弱すぎて自力で呼吸できない。
どうする?
チューブを抜けば子供が死ぬ。
どうする?
24時間、休むことなく、日本人が交代しながら、大きなバッグで空気を送り続けることになった。
1分に10回は空気を送る。休むことなく手でバッグを押し続けなければならない。
私は日本での所用を済ませるため、途中、帰国の途に着いた。
残され24時間働き続ける日本人のスタッフたちのために、せめて祈ろう。
一人の子供の命を救う作業は、そんなに簡単ではない。
救えるか救えないか、それは神のみぞ知る。
しかし、弱き我々は、結果も知らず、ひたすら生への可能性に向かって進むしかない。
どうかこの子が救われるようにと、今も祈っている。