ある少女の物語
2008年 03月 05日
前に書いた火傷の18歳少女のその後。
5歳で全身に火傷して、両腕と胴体が引っ付き、顔が半分溶けていた。
溶けた顔の奥に口があり、胴体に付いた片腕はかろうじてその口に通じる穴に届き、そこから13年間食物をとって生きながらえてきた。
この少女の手術をこの数ヶ月間、繰り返し行なってきた。
今回、ようやく顔の輪郭をはっきりさせる手術を行なうことができた。
若い医師たちや看護師たちが朝から何件も続く手術にもめげず、夜9時頃手術が始まった。
毎日このような調子で、疲労困憊しているはずの私たちのスタッフ。
手術が終わり、宿舎にもどったのは、明け方の4時を回っていた。
しかし誰もがその顔に微笑を浮かべ、満足げに見えた。幸せそうに見えた。
ミャンマー人スタッフも日本人スタッフも共に彼女の明るくなった未来を祝福していた。
どうか、この少女が明るく幸せに生きていけますように。今まで辛かった分、これからは良い事が雨あられのようにこの子に降ってきますように。
その少しのおこぼれが、この子の未来に関わった私のスタッフたちに当たりますように。
そう満天の星が輝く天を、仰いで呟いてみた。