自己相対化
2007年 11月 15日
時に人は自己相対化する必要があると思う。狭い世界感や目の前の世界だけに追われ続けると疲れてくる。
最近、九州へ行ったときに1日、時間が取れたので海の見える海岸でゆっくり半日過ごした。空は青く、海は美しかった。
こんな世界が自分の周りには広がっているという事実を体感した時に、自分は幸せだと感じる。そして小さなことに拘る無意味さを感じる。
そんな時間を皆少しでも持つべきだと思う。
多くに医者たちは、毎日少しでも多くの患者を診るとか、少しでも有名な医者になるとか、多くの手術を経験するとか、そんなことばかりの人生を送っている。
本当に数十年の人生で、もったいないことだと思う。
そういえば10代の浪人生の頃、成績も悪く、受験が近づくにつれ追い込まれていった時にも同じようなことがあったことを思い出す。
それはある記事だった。
昔の中国の修行僧の話。どうしても悟りを得たいと苦しむ若き禅僧に高僧が言い放った一言。
「お前が悟ろうが悟るまいが、世の中の人の苦しみは変わりはしない。自分の事で悩む暇があれば、町へ降りて苦しむ人々に手を差し伸べなさい。」
それを聞いて「はぁ!」とする若き禅僧とその頃の私。
自分、自分、自分、、、。
世界はこんなに広く、こんなに美しい世界が広がっているのに。
もう自分のためだけに悩むのは止めようと、思った10代の私。
自己相対化は、常に私が心がける大切な習慣になった。