難しい問題
2006年 12月 26日
常日頃、この国で難病に向かい合うときに、ある問題に直面する。
この国の人たちは、とにかくいろいろ隠す。
過去の病歴・カルテ・病名・治療歴などなど。
あるとき、70代のお坊さんが来て、首にできた腫瘍を取って欲しいと言われた。
そして、果敢に取りに行こうと思ったが、癒着が激しく取りきれないことがわかる。
そこで、どうも悪性らしいと組織生検に切り替え、手術を終わる。
しかし、手術後皮膚が開いて全く塞がらない。どうしてこんなになるのだろう?
そしてその人の身内がやって来て、聞いてみた。
どうやら、すでに肺ガンと診断され、しかもその首の場所にも放射線治療をされているということがわかった。全て隠して、初めてのような顔をして治療を求めてきたのだ。
ガンで、治療が不能だとわかれば、ここでも治療をしてもらえないとわかっているからだが。
とうとう傷は治らず、消毒のやり方を家族に指導し、帰っていった。
後味は確かに、悪い。
このような状況は今も繰り返し続いている。