坂を上がる
2006年 10月 27日
今日病院では10件の手術をやった。夜中、病院から宿舎に帰る途中の急峻な坂道を登りながらふと考えてしまった。
自分も、自分の生き方もこの坂を上るときのごとく、上を向いて行きたいものだと。
先日、あるNGOの代表が、またやりも、やれもしないのに適当なことを言っている記事を読んで、うんざりした。
その団体に、それなりの人がまた、100万円を寄附したと、書いていた。
この人は書籍も執筆し、その世界では知られた人だし、私もその考え方や行動には共鳴することも多いのだが。
この世界はあまりにも人のことを馬鹿にしているような生き方をしている人が多すぎる。
このような人たちの話を見聞きするたびに、この世界から足を洗いたくなる。
途上国で様々な活動をしている人たちは、なんに洗脳されたか知らないが、皆揃って、現地の人たちが自立するようにというが、私に言わせれば空いた口が塞がらないくらいどうかしていると思う。
大体、自分たちですら、十分自立していないのに、何が人々の自立だと言うのか?
そのステイタスが高いからといって、その給与が保障されているからといって、その身分が安定しているからといって、組織や団体を選ぶ人間が、本当に自立しているか?
本当に自立している人間とは、組織が無くても十分にやっていける人間、お金が保障されなくても、正しいことをやっていく人間、身分など鼻にもかけない人間ではないか。
本当に自立した人は今からでも人の役に立つことが出来る。
ここで働く人たちは私と働く間に、如何に自分たちが自立していないかを思い知らされる。いつもそれ見たことかと、心の中で私は思っている。
美しい生き方をしたければ自分が先ず美しくなることだ。
平和を実現したければ、先ず自分が平和を得ることだ。
そして、他人を自立させたければ、先ず自分が真に自立することだ。
大体、他人に対して自立させるなどと30才代や40才代の人間が言うなんて、不遜も甚だしい。20才代で言っている人もいるが、あなたは神かと問いたくなる。