熱発の少女
2006年 07月 05日
6日間高い発熱が続いた少女がやって来た。衰弱していた。
症状は熱以外に全くなし。かすかにお腹が痛むらしい。
一体何の熱なのか?
超音波をしてみる。
かすかに腹水が溜まっている。
肝臓や腎臓やすい臓は問題ない。
胆嚢に薄い砂のような胆砂が確認できる。
十二指腸がかすかにむくんでいる。潰瘍はないようだ。
お腹のレントゲンを撮る。
大きな情報はない。腸閉塞もない。超音波の所見と同じだ。
ココの血液検査は全く当てにならないので、しても仕方ないからしない。
これだけの所見から色々な病気を想像してみる。
そこで思考は止まる。
あとは私の経験が頼りになる。
この土地の病気を知っていることと、日本も含め15年間、子どもを診てきた経験だけが頼りだ。
病気を定め、1つの薬を選択した。
4日後、熱はゆっくり下がり始める。
6日後、完全に解熱した。
来たときは衰弱し、全く動かなかった子どもが元気に点滴をされながらでも座っている。
一体、何の熱だったのか、答は永遠の霧の中だ。
たった一つの事実。そして答。
この子の命は助かった。
それ以外、何も分からない。