いつも医療者は、
「自分たちは安全な場所から医療をしているんだ」
「患者がどんな重い病気でも結局は自分には関係ない」
「そりゃ、検査の時に患者に付き添いレントゲンの被曝が多少あるとか、手術や輸血やその他の医療行為の最中に感染のリスクがあるとか。けれどそれでも患者達の場所から比べると随分と安全な場所にいるんだ」
「手術が失敗しても、検査が上手くいかなくても、医療者は死にはしないから」
でも、今回ばかりは少し違ってる。
今回のコロナウイルスはいつも安全な場所にいる医療者達をかなり危険な位置まで近づけている。
圧倒的に市中の一般市民よりも犠牲になる確率は高いのだ。
私達医療者にはいま、目の前に4つの生き方が提示されている。
この時、たとえ日本にいようが、海外で医療をしていようが、私達、医療者の前には天から4つの生き方を提示されているのだ。
1 ウイルスに勇敢に立ち向かい、そして自分も生き残る
2 ウイルスに勇敢に立ち向かい、しかし自分もウイルス感染にたおれる
3 ウイルスに恐怖し逃げ出し、そして自分は生き残る
4 ウイルスに恐怖し逃げ出し、しかし自分もウイルス感染にたおれる
あなたならばどの生き方を選択するだろうか?
私はどうせ医者になったのだから、こんな時こそ、ウイルスに立ち向かいたいのだ。
もしかしたらウイルス感染にたおれるかもしれない。命を落とすかもしれない。
でも私は死の床で「これでよかった。自分の信念と人の為に戦い死ねてよかった」と思える自信がある。医者でよかったと思える自信がある。
でも逆にもしも逃げ出してしまったら、たとえその後、生きていても医者を辞めるかもしれない。そんな臆病な自分が許せなくて苦しむと思う。医者を続ける資格がないと思ってしまうかもしれない。
私は、私達は、”病で苦しむ人達のためになりたい” と医療の世界に飛び込んだ。
もちろんそれは、自分が世の中から必要とされたい、してほしい、期待されたい。そしてそういう自分を自覚し、自分の人生を肯定したかったからだろう。
海外で私の元にやってきた医療者達も、多かれ少なかれそう感じていたと思う。
人はこういう経験を通して本当のプロフェッショナルになる。
自分の人生と仕事を通して、自分のミッションに誇りを持つようになるのだ。
私はそういう医療人をつくりたい。
最高の医療人には、高い精神性の人間でなければなり得ない。
精神性の高い人間は、困難が目の前に立ちはだかろうと、逃げはしない。
人々が病で苦しんでいれば、我が身に困難が降りかかろうと、人々の為に喜んで前に進むだろう。
人生100年時代、そういう人間はたとえ医療人としての人生が終わった後でも豊かな人生を送っていけるのだろう。
中国でも、ヨーロッパでも、アメリカでも、医療者達は誇り高く戦っている。
彼らにできて私達にできない道理があるはずがない。
何で医療の道に来た?
我がスタッフたちよ、そして日本の医療者たちよ、がんばれ!
あなた方の前には4つの生き方を用意した。
好きな道を進むがいいだろう。
PS: 私も海外への航空便が運航を再開したら、直ぐに現地に戻るよ。