特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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運命を整える

最近、医学部を目指す学生が多いらしく、時々そういう学生を対象に話をする機会が増えている。
どうしたら医学部に受かるのかはイロイロな理屈はあるのだけれども、私は二つのことを同時にしなくてはならないと思っている。
一つはもちろん勉強。
勉強については専門家の人達に任せて今回はもう一つのことに焦点を当ててみたい。

もう一つというのは、運命を整える習慣のこと。

 この中にはたくさんの事柄があって一概にこの事だとは言いにくいのだが、簡単に言ってしまえば勉強以外の全部の事かもしれない。
 体力を整えたり、食事をコントロールしたり、試験当日に風邪を引いていない様に調整したり、家庭内の環境を上手く調節したりという、実に様々な事柄が含まれるのだが、これらは理性的には当たり前の事であって誰でもできる事だと思う。
 私が重要視しているのはそのうちの理性以外のもの。あえて言えば理性ではなくて感性的なもの。
運気を上げると言えばご都合主義なのだが、正確にはやっぱり”運命を整える”という言い方が適当だと思う。
 自分固有のリズムの狂いを調整し、知らぬ間に狂ってしまったリズムの乱れから起こる様々なトラブルを未然に防ぎ、人間関係や体調を調整し、身に付けた成果を滞りなく発現させる。

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 昔から剣の達人達が瞑想を取り入れていたのもおそらくこれが理由だと思う。身体を使う剣術の稽古とはおおよそ真逆の、静的な所作を何故あれぼど重要視していたのか? 何故、心という捉えようがないものに向かい合ったのか?
 受験で合格しようが落ちようが、その人の人生にとって、終わってみればその後の人生に最高の結果をもたらすであろう、その結果へと運命を導いてくれるであろうその中継点に着地できるように。

 人は知らぬ間に社会や親から洗脳を受けているものだから、それが本人の才能とズレがあることに気付かないまま、まるで自分の意思かのように勘違いして見当違いの方向へ人生をスライドさせていく。
 医師に向いていない人間が医師にならないように。
 医師になるよりもさらにその人の人生にとって、望むらくは人類にとって大切な別の才能が埋もれてしまわぬ様に。
 運命を整えるということは、自分の個性や能力を自然に発揮させる方向へ向かうという言い方もできるかもしれない。

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 ところで、たとえどんな結果になろうとも、それぞれの人生に持ち越せるものがあることも合わせて知っておかないといけない。
 それは本気で苦しんだ体験の事を指す。
この体験は応用が利き、死ぬまで何度でも使い倒せる。
だから中途半端や諦めは禁物だ。
空振りしてもいいから本気で球を撃ちにいくということ。
適当にバットを振って結果がホームランになってもその体験は人生にとっては単にムラを生み出す原因にしかならず、おそらく将来、知らぬ間にその人の人生の成果を目減りさせていくと思う。

 さて、運命を整えるということにおいては、例えば、健全な野菜を中心とした食事を摂るという実際の行為よりも、健全な野菜を摂ろうという意思を常に意識していることが影響する。
 運動が苦手な人間が3km走れる様になるよりは、毎日1kmでも必ず走る習慣を付けようと努力する意思が大切なのだ。
 30分瞑想できるようになるよりは、毎日必ず5分続けて瞑想を繰り返す習慣を確立する思いが大切になる。

 毎日、外界を遮断した中での掃除や決まった心地好いスピードのウオーキングをすることで、無意識にリズムを整え、そのリズムからズレた時の違和感を感得する。違和感というとても不安定なものの感得なので微細さが求められるため、常にリズムを整えるその人なりの技法を持っておいて、常に時間がある時には繰り返す癖をつけておいた方がいい。

 目を閉じて深呼吸を10回するでもいいのかも知れない。
 お経を何回も心の中で唱えてもいいのかも知れない。
 単に右指先を同じ方向に5分回し続けるだけでもいいのかも知れない。
とにかく、リズムを正常に戻すためのトリガーが必要なのだ。
これを癖にしてしまうことで運命は整えられていく。
 
  しかしながら、もちろん勉強は効率よく全力でやらなければならない事は当たり前。

 レストランでいうと、勉強することはおいしい料理を作る作業と同じ。
 運命を整える作業は強いて言えば、その料理を上手く人に宣伝する事。正当に料理のおいしいさを世の中に知ってもらうこと。ただし、おいしい料理でないと2度と店には来てもらえず、悪い噂も立ち、やがてそのレストランは潰れることになる。

同じ事が人生にも起こるので、くれぐれも勉強は手を抜かないように。心して。


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by japanheart | 2019-11-28 02:08 | 医者の本音 | Comments(0)