特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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マイナスの能力

マイナスの能力
 
 ダメ親の下に生まれたせいで、大人物になるという事がある。
貧乏育ちや貧困の為に教育機会損失にあい、結果、社会的成功を収めるということもある。
短期的なマイナスが長期的マイナスにつながるのか、それともプラスに転化するのか。
それは誰にもわからないが、本人の人間性のあり方と、あとは縁、出会いなのかも知れない。

 年齢的にも多くの人たちの指導やアドバイスを求められる立場になってよく思うことがある。
 人間、自分は誤魔化せないので、自分の能力やその限界はよく分かっていて、当然、自分ができもしないことを他人に要求しないといけない場面に遭遇するようにもなる。
 それはスポーツのコーチも同じで、既に体力的には当然、自分では無理な事を現役選手達に要求する。若い、あるいは生意気?な選手達は、「なら、お前がやってみろよ!」と心の中で悪態をつく、あるいは態度に出して反抗することもあるだろう。
 
 人生にはやはり二つの見本が必要になる。

一つは、プラスの影響、プラスの見本。自分の成功体験、頑張っている大人や仲間、先人達の姿やエピソード。
 これは方向性を教えてくれる星のような存在、あるいは、コーナーストーンのようなものだろうか。

二つ目は、マイナスの影響、マイナスの見本。
 実はこちらの方が人生には大きな影響を及ぼす事が多い。
 惨めに失敗した経験、失恋、受験の失敗、人から馬鹿にされた記憶。
 貧乏や親の失業、友人の倒産。
 これは生きていくプロセス、すなわち過程そのものに影響を及ぼしてくる。

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私は後者の方が人生には圧倒的に重要だと思っている。
特に最近、気がついたのは、人生の後半においてはこちらの方が圧倒的に重要で、その重要さは年月と共に増していくと感じる。
 記憶は時間によって薄められる。
 失敗の経験も、失恋の体験も、時間がその痛みや苦しみを薄め、意味付けを変化させていく。
だから必要以上に、感情的にその体験に引きずられずに、その体験をアップサイクルできるようになる。
だからアップサイクルに必要な材料を多く持たない人間は、人生の後半に大きな飛躍はない。若い頃の苦い体験や失敗が、そしてその数が如何に大切かが分かる。
問題は分かるがそれが実際に分かる時期にはもうかなり手遅れになっている。

 それで私が何を若い人に望み、何を半ば強要しようとしているかというと、二流コーチよろしく、自分ができる事もできない事も同様にさせようとする事であり、その中で失敗を含むイロイロな経験、一生懸命やるという経験を持たせる事である。
 私は自分ができる事だけを他人に求めるという謙虚さは持ち合わせておらず、その謙虚さの不足からの強要が却って自分にはない他人の能力を多く目覚めさせてきたという体験を多くしているので、「なら、お前がやってみろよ!」という彼らの心の声すら全く心地好く響いてくる。

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 その時、一つだけ自分に注意している事があり、それはそうなれるかどうかは別にして、彼らの事を好きになろうと努める事だ。
 愛情ない指導など、なかなか上手くいくわけないだろうと思うのと、彼らが私がどんな理不尽さを発揮してもそれが愛情からだと、信じてくれていないと指導や教育など上手くいくわけないからだ。

 親に嫌われたこどもや教師に嫌われたこどもが素直に指導に従うはずもなく、自立などという事にはおおよそ到達しないからだ。

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by japanheart | 2019-04-26 14:53 | 基本 | Comments(0)