特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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子どもにだってできる!“長期的な視点”で自分の心に問う

 うちの長男が中学受験をするらしい。そのためさまざまな事柄を、親が書かなければならない“申請書”の提出を求められているらしい。

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図々しくも長男が、日ごろの在り方の反省もせずに、それを書いてほしいとお願いしてきたので

「書くのは嫌だ!」

と言ったら

「それでも親か?」

みたいなことを言うので、1時間ほど説教をしておいた。

「お前は落ちたほうがいいと思っている」

と言うと、さらに

「それでも親か?」を通り越して「それでも人間か!」

のような表情をするので、大きく頷いておいた。



 そんな目先の利益しか考えていない人たちに、今日は是非に伝えておきたいことがある。

それは物事は必ず長期的視点で利益を目指せということだ。


目先の小さな利益や欲望は、長期的には損失を生じることのほうが多い。一時の大きな利益は、その後の人生や会社の運命を、全く不幸にしてしまうことなどざらにある。

人生ここが勝負というときに、100万円を惜しむ人は100万円に泣き、さらに大切な機会を失う。

目先の損得に飛びつかず、100万円を投資し新たな未来や機会を生み出す。すなわち可能性を生み出す。

自分のね。


極端な話、人生は小さなベストの合計が全体のベストと一致しない。かなり目減りすると思っておいたほうがいい。どこかの球団のようにスターばかり集めたからといって、必ずしも勝つわけではないということだ。


最善x最善x最善、、、、、、=最善

ではない、ということ。


パズルのように、雄ネジと雌ネジのように、上手く役割をかみ合わせた補強や協力、共生関係がはたらくと、より強固なチェーンを生みだす。

子どもにだってできる!“長期的な視点”で自分の心に問う_e0046467_17090254.jpg

もっと言うと、ある最善は別の最善を消費する、減力する。

例えば、年間100試合に出場することによって最高の成績を残せる人が、他のベスト選手に押し出されて30試合しか出場するチャンスをもらえなければ、その活躍はかなり目減りするということだ。


 私の考えとして、何事も全力で取り組める人間はその時点で救われているといえる。

試験に落ちようが、就職できなかろうが、それはその人にとってまずベストの結果を受け取っていると思っていい。もちろん、長期的な。

本気でやったけど医者になれなかったというのは、私から見ると“医者になる必要がなかった”と考えられる。

ちょっとした努力で結果を手に入れるよりは、一生懸命努力して失敗するほうが、得るものははるかに多いし、失うものははるかに少ない。

適当にやって結果を手に入れたということは、もともと低い跳び箱を飛んでいたに過ぎない。時間の無駄使いだ。


長期的な視点でー、

といっても未来のことは見えないし分からない。もちろん保証などどこにもない。

もしも疑うのなら、目先の利益に飛びついていればいい。

信じられないのは私の意見ではなく、自分の未来だと自覚をするのだ。


うちの子も本気で毎日それに向き合っていたら、黙って申請書くらい書いたんだけど。


とにかく、一旦立ち止まって、

本当にそれが必要なのか?

それを本当に求めているのか?

長い目で見たとき、自分はこのことによってどうなるのか?

本当はどうなりたいのか?

しっかりと自分に聞いてみたほうがいい。

胸に手を当てて自分に聞くんだ。

私の人生は本当にそれを求めているのか?と。


 60分間の我が子への話の中で私が伝えたことは、“親は本質的に子どもに伝えることは一つしかない”ということ。

それは、この世の真理の姿をわが身を通して子に見せること。


情けは人の為ならず。

自分と同じように人を大切にする人は人から大切にされる。

世の中を幸せにした人が幸せになれる。

奪う者は結局、損をする。

などなど、、。


これらのことを話し続けた。


生きてる時代も違えば、影響を受けたものも違い、未来も全く違う。

それを親たちは自分が未来でも見通しているかのごとく、子どもを自分の価値観に縛り付けようとする。

10年後のことも全く分からないくせに、こうすれば将来安全だし安心だと宣言する。

そして子も、それに従うことで安心する。

そのときは。


子どもの生きていく時代のことは親には分からないのだから、子どもの感性に任せる。

それが正解ではないのか?

そう子どもに伝えた。

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「お前の人生は今から自分で決めろ。親に従うことは正解ではないと思う。」

たった12歳の小学生の子どもに、そう伝えた。

親がそうしてほしいから受験をしたり、公務員になったり。

親想いのいい子だけど、本当にそれでいいのか?

親がいなくなった後も人生永い間続くぞ?!


本当に受験したいのか?

それはなぜ?

本当に公務員になりたいのか?

それはなぜ?


それを自分の心に手を当てて聞いてみて。

それで心がそういうならば、もちろん損得はなしで、そのまま進めばいいと思う。

しかし、少しでもわだかまりがあるのなら、一旦止まってみるべし。

期限までにそれが解決されないならば、それはやはり進むべき道ではないと思う。



 器の小さい人間は、その小さな器に人を無理やり押し込もうとする。

気をつけないと。

もちろん、自戒もこめてね。

大体、持ってる時間それ自体が、可能性の塊みたいなものでしょ。


私には残りせいぜい30年の時間しかないけれど、AI時代の長男には残り90年の時間がある。

時間は三倍だけど、それっていったい何倍の可能性の差なんだろう?





by japanheart | 2017-12-26 19:27 | 子どものこと