国際医療を行うということ
2006年 01月 21日
国際医療を行うことについての私の考えがあります。
多くの方々が、ここへ将来国際医療を志しやって来ます。
私はよく言うのです、「2年で正しいことが、10年で見たら正しいとは限らない」
また、
「自分のやっていることにピークを作ることは、やがて終焉を生む」
と。
私はよく、今の状況を次のように例えます。
私はこの国際医療という頂なき山を生涯上り続ける一登山者です。
もし、私が人生の中でたった2年間上るだけならば、もっとペールを早めよう、今日少しでも上に登ろうと考えるかもしれません。しかし、生涯登り続けるならば、ペースを乱さず、ゆっくり楽しみながら登りたいと考えるはずです。時には岩に腰掛け、野辺の花に心を動かし、鳥のさえずりに耳を澄まし、碧く美しい空に心を奪われることでしょう。
それは、ひとことで言うならば、今を楽しむ、ということになります。
そして先を急がないことでしょう。なんせ終わりなき旅をしているのですから。
そのような視点があるから、10年や30年の時間軸の中で物事を捉え、そして医療を展開できます。基本的に、私は数週間や1年程度、国際医療をした人と、私自身は表面的に同じことをしていても、全く違った世界に住んでいるし、違った考えや感じ方をしていると思っています。
ですから、ここへ道を求めてくる多くの人に、私のようにできなくてもこの1年だけと思わず、生涯、何らかの形で関わり続けたほうがいいといっています。
そうすれば、少しでも見えない世界が見えてきます。
それを見なければ、このようなことをする意味は半減するとお思います。