ワンメーターを大切にすると、起こる未来
小さな積み重ねを馬鹿にしてはいけない。
小さな積み重ねこそが流れを生み出す。
川は小さな水の分子からできている。
私がタクシーの運転手ならば、ワンメーターの客を狙ってのせる。
気持ちよくワンメーターをのせまくる。
だから駅の長いタクシーの行列には多分、並ばない。長い時間を費やしてようやく客を乗せても元は取れないと考えている。
町を流しながら、ワンメーター程の距離でもいい、どんどん客を拾いたい。
その丁寧で親切な積み重ねが、やがて長距離の顧客を呼び込む。
やがて大量のご指名のリピーターを呼び込む。
私が救急の経営責任医師ならば、喜んで深夜の軽症患者を診る。
いつでも断らずに、軽症の風邪や発熱、下痢症を積極的に相手にする。
やがて、そこで流れが生まれ、重症の患者たちが運び込まれる。
たとえ軽症でも親切に、丁寧に診察された患者やその家族はそのままその病院を愛用することになる。
人は必ず死ぬから、死ぬ前には重症になってその人たちも、その病院に運び込まれる。
うそだと思うのならば、逆に、ワンメーターの客をどんどん断り、軽症患者を粗末に扱ってみるといい。
小銭をバカにし、大切にしない人間は、大きなお金にも見放されるに違いない。
人生の大切で重要な流れを作るには、特別な能力は要らない。
ただ大切に小さなことを嫌がらずに積み重ねていくだけだ。
特別な能力は、その流れの中でやがて巡ってくる大きなチャンスをつかむときに必要になる。
しかし、特別な能力もまた、日々の積み重ねの中で身についてゆく。
毎日の掃除を小まめにしているか?
小まめに挨拶をしているか?
何が流れを呼び込むか分からない。
だから毎日行うことは、しっかり丁寧に意識して行ったほうがいい。