時間を買って生きろ!
2012年 11月 07日
年年歳歳、歳をとるほどに時間の大切さを実感する。
時間が、もっと手に入ればといつも思う。
最近よく若い人たちに、「時間を買え!」とアドバイスする。
時間は買える。
お金で買えるならば、買ったほうがいい。
若いときの時間ほど価値が高い。だから若いときこそ、時間を買う。
あなたが、例えばジャパンハートの看護研修に参加する。
参加のために決して少なくない単位の、お金を払う。
これは、時間を買ったことになる。
バスではなく、飛行機で東京から福岡まで行く。
航空券のお金とバスのお金の差額が、あなたが時間を買うために支払った金額になる。
ある時、ミャンマーに長期間いる看護師が、日本からやってきた別の短期の看護師にこう言われた。
「何で、お金ももらえないのに、この活動に参加するんですか?ましてやお金を払ってまで」
長期で働く日本人看護師は、時間をお金で買う人。
短期の看護師は、時間をお金のために切り売りする人。
長期の看護師は、お金をはらって人生の大切な時間と経験を買ったのだ。
病院で、やりがいもなくだらだら働く。
給与のために、毎日不満を抱きながら働く。
これは時間を切り売りしていることに他ならない。
こんな人生は、どんどん時間がこぼれ落ちていく。
気がつけば、定年を迎え、気がつけば、病にたおれ、気がつけば死の床にある。
何も印象に残らないが、ただ享楽的に生きていけるかもしれない。
うまいものを食べ、贅沢な日常を送れるかもしれない。
しかし、決定的に人生の深い記憶が欠落する。
歳をとっても思い出すのは、旅行や食べ物のことばかり。
自分が、必死になって確かに生きていたんだという記憶が、ないのだ。
何かに果敢に挑戦した思い出や苦しみの中から持って帰れた経験や知恵などという果実もない。
時間をわずかなお金と引き換えに、切売りしていった結果。
若いときは借金をしてでも時間を買わねばならない。
いい経験、いい出会い。
いい服やいい食事はいくら買っても、時間のセーブにはならない。
こんなものは歳をとってから買えばいい。
若いときの5時間の時給は、歳をとればわずか1時間で達成される。
私は、いつも人を見るときこの視点で見ている。
この人は、時間を売る人。
この人は時間を買う人。
時間を売る人とはなるべく、コンタクトしないようにしている。