だからやらねばならない!ー昨日の続き
2011年 02月 23日
昨日の続き。
ガンは日本人みんなの問題として捕らえる視点がなければならない。
明日あなたが、あなたの子どもがそうなるかもしれない。
その時に、社会が少しでも支えてくれれば、少しくらい助かるはず。
そういう相互扶助が世の中には大切。
このプロジェクトもその相互扶助のひとつ。
社会のセーフティーネットなんだ。
医師:石田健太郎と中田志織が指揮するスマイル・スマイル・プロジェクト。
石田健太郎が書くブログから今日の思いを、留め置かまし!
「
どうも、石田です。
さて、つい先日スマイルスマイルプロジェクトで
また一人の女の子の企画を実施しました。
個人情報のことがあるので
詳しいことは言えないのですが、
彼女はいわゆる「末期癌」でした。
頭には多数の転移が見つかっており、
片肺は癌性胸水のために水浸しになっています。
事前の主治医先生からの情報でも
かなり厳しい状態ですとのこと。
実施日を決めてはいたものの、
そこまでもたない可能性も
十分あるだろうということでした。
そんな彼女もなんとかその日を
迎えることができました。
家族5人のささやかなお出かけでした。
ずっと楽しみにしていてくれたのです。
今回は主治医と担当看護師の
お二人たっての希望もあり、
自分に加えてそのお2人が
同行したのですが、そこで
驚くことが起こったのです。
当の本人が見違える程
元気になっていました。
少しトイレに行くだけでも
息切れが激しかったその子が
妹の押す車いすに乗り、
誰も追いつけないようなスピードで
走り回っていたのです。
そして、興味がある場所には
車いすから降りて積極的に
自分で歩いて行きました。
終始笑顔だった彼女は食事も
もりもり食べて一日元気に
過ごしきりました。
それを見て医療者3人は
ただただ唖然としていました。
だって、変な話、この外出中に
何か起きて亡くなっても
おかしくないくらいの人でしたから。
ご家族も大変喜んでくださって、
「やってよかった」と思えるものになりました。
さて、ちょっと具体性に欠けてしまう
報告でしたが、言いたかったことは
「生命力はほんの些細な
目標にも大きく影響される」
ということです。
きっとこういう小さな楽しみのおかげで
その人が一時的に元気になれて、
家族で濃い時間を過ごすことができたら
もし寿命を縮めることになったとしても、
大切なことですよね。
頭では分かっていたことだけど、
やっと心に響いて理解できました。
付き添ってくれた担当看護師さんは
報告に帰った病院に到着すると、
安心と嬉しさで泣き出してしまいました。」
「先日「生命力」というブログを書きましたが、
そこに補足したくなることが起きました。
今日聞いた話だと、その子の企画実施後に
病院に戻って検査をしたところ、
肺に溜まった胸水が減っていたそうです。
彼女の胸に溜まっていたのは悪性胸水で
専用のチューブを胸腔内に留置して
排液しても、すぐにまた溜まってきた
どうしようもないものでした。
まぁ、我々のお陰だと声を大にして
言えるようなものではないにしても、
もし役に立てたのならば、それって
すごいことですよね。
いやー、何にせよ人間ってすげー。」