背中を押す
2010年 03月 10日
もうすぐ私の活動を岡山の国立病院院長として長年支えてくれた青山先生が退官される。
青山先生とは私が大学病院で講師をしていた頃、教授として様々な指導をしていただいた。
助教授の存在しない教室であったが、県内唯一で最大の症例を抱える施設で、大きな手術は、大先輩の岩村講師と私に任せていただき本当に多くの経験をいただいた。
人員も厳しい中、私が無理を言って海外医療継続のためミャンマー行きを打診したときでさえ、お前は後のことは気にせずに行きなさいと背中を押していただいた。
そして今がある。私の元を訪れる多くの医療者が上司に反対されて、あるいは批判されて道を閉ざされるの比べ、いかにありがたいことかと思う。
その後も、患者搬送をたびたび無償で受けていただき、多くの命が助かったことを考えると、言葉では勿体ないことだと思う。
数百万はするような医療資材を、ある科の医者が使ったときでさえ、仕方ないと大きく受け止めていただいた。
そのとき、こころから申し訳ないと思ったものだ。各科の医者たちもベストを尽くすという視点でやっていただいたが、それは税金を納めている日本人に対してのリターンであり、税金を納めておらず将来も日本のために働く可能性の薄い外国人のために、それを投入していただくことはこころが痛んだ。私の誠意は、否、こちら側の誠意は患者や患者の家族をはじめとして、最低限のものでも感謝しますだった。医療を保険でカバーされている日本人にはわかずらいかもしれないが、全て自己負担の国でいる人間にとっては、それは当たり前の感覚なのだ。だから治療を受けれるだけで満足している。
今後どうされるのか楽しみにしている。
できればお互い死ぬまで走り続けることができればと思っている。