ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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ワンメーターを大切にすると、起こる未来

小さな積み重ねを馬鹿にしてはいけない。
小さな積み重ねこそが流れを生み出す。
川は小さな水の分子からできている。

私がタクシーの運転手ならば、ワンメーターの客を狙ってのせる。
気持ちよくワンメーターをのせまくる。
だから駅の長いタクシーの行列には多分、並ばない。長い時間を費やしてようやく客を乗せても元は取れないと考えている。
町を流しながら、ワンメーター程の距離でもいい、どんどん客を拾いたい。
その丁寧で親切な積み重ねが、やがて長距離の顧客を呼び込む。
やがて大量のご指名のリピーターを呼び込む。

私が救急の経営責任医師ならば、喜んで深夜の軽症患者を診る。
いつでも断らずに、軽症の風邪や発熱、下痢症を積極的に相手にする。
やがて、そこで流れが生まれ、重症の患者たちが運び込まれる。
たとえ軽症でも親切に、丁寧に診察された患者やその家族はそのままその病院を愛用することになる。
人は必ず死ぬから、死ぬ前には重症になってその人たちも、その病院に運び込まれる。

うそだと思うのならば、逆に、ワンメーターの客をどんどん断り、軽症患者を粗末に扱ってみるといい。

小銭をバカにし、大切にしない人間は、大きなお金にも見放されるに違いない。

人生の大切で重要な流れを作るには、特別な能力は要らない。
ただ大切に小さなことを嫌がらずに積み重ねていくだけだ。
特別な能力は、その流れの中でやがて巡ってくる大きなチャンスをつかむときに必要になる。
しかし、特別な能力もまた、日々の積み重ねの中で身についてゆく。

毎日の掃除を小まめにしているか?
小まめに挨拶をしているか?
何が流れを呼び込むか分からない。
だから毎日行うことは、しっかり丁寧に意識して行ったほうがいい。





by japanheart | 2014-08-31 04:50 | 基本 | Comments(0)

身の程を知ること

身の程を知ること

今年で、私が国際医療を担う医師になることを決心し医学部を目指しまる30年が経過し、
海外医療をミャンマーではじめてからまる20年が過ぎ、
ジャパンハートをつくりまる10年が過ぎた。

 何だかんだの節目の今年、で、外務大臣表彰と沖縄平和賞をいただく事ができた。私自身にとってはそれはさほど意味を成さないが、支援してくれた人々や活動を支えてくれたスタッフたち、そして苦労をかけた家族のためにも、なんだか理屈の通った言い訳ができたみたいで少しほっとしている。
 
 最近では、現地人医療スタッフや日本人医療スタッフたちがどんどん力を付け私は引退前のピークアウトしたかつての名打者のように代打で時々、舞台に立たしてもらっている感じがする。
 スタッフたちにそのように言うといつも、「そこにいてくれることに価値があるんです!」といわれるが、
それではなんだか病院のいたるところにある仏像と同じ扱いだな、と素直に喜べないでいる。
 技術を見せつけないと人から尊敬を勝ち得ないようでは、人としてまだまだだと、反省している。

 たまたま先日全く偶然に、あるフォルダを開いたらこの10年間のさまざまな現地での活動の写真が何百枚と出てきて、懐かしい顔をたくさん見かけた。
ジャパンハートや私という人間に不満を持って立ち去っていった人間もその中にはたくさんいた。
しかし、みんないい顔をしていて患者と触れ合っていたり、笑顔で仲間たちと写っていたり、ホントみんないい時間を過ごしていたんだなと、改めて感じることができた。

そして何より思ったのは、このような人たちの努力の積み重ねで今の私やジャパンハートという組織があるのだなと、思った。
そして、その中の誰というわけでもなく、その人たちの人生の合力の功績に対して自然と敬意と尊敬の念、そして感謝の想いが沸いてきたのだった。

この節目の時期に天は、驕るのではなく足元を見ることと、自己の身の程を知ることを私に要求している。



by japanheart | 2014-08-25 03:46 | 活動記録 | Comments(1)

力を抜いてね

力を抜いてね

私は今まで少し力んでいたような気がする。
エネルギーもあったし、欲もあったし、見栄もあったし、意地もあった。

しかしながら私の人生には幼い頃より、なぜか厭世観があって、もう一人の自分がなぜかいつも忠告してくる。
「そんなに組織を大きくすることは意味あるの?」
「そんなにお金を稼いででどうする?」
「そんなに名前を知ってもらって何がうれしいのだ?」

いつもいいところになると、この忠告というか警告というか、内部の声に私は何がしかに理由をつけて応えねばならなかった。
そして、その応えた結果が、現在の有り方の質の上昇を結果的に生み出してきた感がある。

それはそれで自己を見つめる作業であったし、大いに意味があった。

でも最近は、人生もっと力を抜いてみたら、どうなるのだろうと思うようになった。
きっと全て最終的には上手くいく様な気がするが、なかなか勇気もいることだ。

そう悩み考えているうちに、やっぱし今後、自分のやるべき大きな仕事は教育じゃないかと思い出した。
単に、医者を教育するとか医療者をというだけでなく、大きく日本の若者や子どもたち、そしてその向こうのアジアの若者たちに、何か人として大切なことを伝えていくことなんじゃないかと。

彼らががんばってくれれば、私が成し遂げた仕事の数万倍の成果をこの世に提供してくれる。
幸いに、医療を私の代わりにやってくれる人たちがかなり多く活動を助けてくれるようになった。

だったら、やっぱりここからは人間教育でしょ!
ということで、今後また何かいいアイデアを考えて発信するつもり。

by japanheart | 2014-08-15 10:17 | 医者の本音 | Comments(0)

一から広がる世界

ようやく、ラオスの腎臓がんの子どもは日本に来れた。統計的には日本で治療できれば生存確率は7から8割。
あと1週間、来日が遅れていたら繰り返す嘔吐や低栄養、脱水あたりで死んでいたと思う。
あのタイミングでラオスを訪問できてよかった。

日本人たちは今日も、肥満を気にしながらおいしいものを食べ、世界の飢餓の子どもたちを心配する。
所詮、他人のいのち。
それは、現実に起こっているだろう事だが、映画の中の出来事のように感じる。
それはそれで仕方ないことだと思う。
人間は、同時に空間をまたいで生きることはできない。
アフリカの飢餓が、カザの空爆が、どんなに許しがたい現実の出来事であろうとも、自分の現実にならない限り動けないのだ。
人間とはそういうものだ。

そう考えるとこれらに介入するためのポイントは、それを如何にそれぞれの人間にとっての現実にできるかということになる。
しかし、それは向こうからはやってくることができない。向かうからやってくるような認識を作り上げることができるのはマスコミの力だと思うが、それを行使できるマスコミと人間が少ないのは悲しいことだ。
 いくら有名人でも自殺した人間の話や芸能人のゴシップを繰り返し流しても、誰も助かりはしない。
日本の政府にアジアの富裕層相手の病院建設のためにODAを与えるその5%でも貧しい子どもたちの有効で、確実な
わたしたちのような活動にまわしてくれるのが国民の声だとしたら、TVや新聞をそのようのな貢献のためにたとえ3%でも裂くのが世界の常識になればいいなと思う。

第二次世界大戦の前に杉原千畝という外交官が迫り来るナチスやソビエトの迫害からユダヤ人を救うために数千枚のビザを日本本国の命令に逆らって書き続け多くのユダヤ人を救った有名な話がある。
これのポイントは、彼にとってのユダヤ人はやはり自分にとっての現実になったということだ。
彼には大切なユダヤ人の友人がいたという。11歳の少年とその家族だった。
彼が書いた命のビザの最初のものはその家族に対するビザだったのだ。
彼にとっての現実は、迫害を逃れたいと逃げてくる多くのユダヤ人たちではなく、この家族だった。
その家族がいて、そしてその向こうに数千人のユダヤ人たちがいたのだ。

それが私がたった一人の命の医療にこだわる理由なのだ。
私の前に現れたラオスの1歳のがんの少女こそは私の現実であり、世界に多く存在する同様の子どもたちはいまだに現実ではない。
しかし、あえて言うと、そのまだ見ぬ子どもたちが、この1歳の少女の向こうに存在すると確信している。
多くの子どもたちを救いたければここから始めるしかない。
自分と接点のない世界の悲劇は、私の人生に力を与えてはくれない。

理性は動いても、心が動かなければ、世界は変えれない。

今日、岡山医療センターでこの子の手術が始まる。
日本の小児外科の重鎮で中四国地方でナンバーワンの小児外科医 青山興司先生と彼の後継者でこれから日本の小児外科の世界を背負ってたつだろうと私が確信している中原康雄先生が執刀してくれる。

昼寝でもして結果を待とう。




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by japanheart | 2014-08-07 02:36 | 活動記録 | Comments(1)