ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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国家というシステム、この厄介なもの

 一月ぶりにラオスに来ている。
 小児の腎臓がんの1歳の少女はまだ、この国を出ることができない。
 一月前、すぐに用意し始めたパスポートの準備がまだ完了しないからだという。
 ミャンマーでもそうだったが、こういう国の田舎の人々は戸籍もない人が多い。
 だからそこから用意しなければならない。そこに時間が取られる。
 今では日本も、1週間足らずでパスポートを取れるようになったが、私が学生の頃は1月かかるのが当たり前だった。
 この国のことを笑えない。
 今でも海外に来る日本人医療者には厚生省に頼んで英文免許を出してもらうのだが、これも平気で2ヶ月かかる。
 プリントアウトされたものに、印鑑とサインがしてあるが、この1枚30秒で終わる書類をもらうのに申請して2ヶ月以上かかっても来ないことがある。
 笑えないでしょ?今でも役所仕事というのは、こんな感じになっている。

 こっちも笑っていられない。
 子どもの状態が、いまいち悪くなっている。
 飲んだものを吐いてしまう。
 腫瘍も確実に大きくなっている。
 体重も少しへってきた。
 6キロほどの彼女の体重の1キロほどは腫瘍の重さだと思う。
 吐いているこの子に今日は点滴を入れた。
 少しでも時間を稼がなければ。

 スタッフに言ったんだ。
 「賄賂でも何でもいいから払っても死ぬよりはましだろ。早くパスポートを取ってくれ!死ぬ前に!!」
 眉をひそめる人もいるかもしれないが、偽ざるべき私のこころの声だ。
 明日、首都ビエンチェンに向かう。
 親も子も一緒に、パスポートをとるための面接があるらしい。(マジで。ここは社会主義の国なんだ。)
 
 中東ではイスラエルがカザを爆撃し、すでに数百人の人たちがなんと簡単に死んでいるのに、私たちは、一人を助けるためになんと苦労をしているのだ。
 あまりの無力に笑えてしまう。

 さっき子どもに点滴を入れたときに大泣きをしていたな。
 大きな声で泣いてくれたので、少し安心した。
 何とかしないと。

 天はこの子にどんな運命を与えているのだろうか?
 それも分からず、私たちは必死にやるしかない。

 スタッフたちの健闘に期待する。
 
 
 


by japanheart | 2014-07-28 04:23 | いのちの重み | Comments(1)

常識を疑え

常識を疑え

 国際貢献なんて、特別な人間じゃないとできないということが常識だった。
 特に医療は、経験年数があって、英語などの外国語もできないと、やる資格すらないのだというのが常識だった。
 国際医療貢献は、保健・啓蒙活動が中心で、治療を主とする臨床医療を行うなど、時代遅れだと当たり前に思われていた。

 私はこれの全ての常識を疑った。
 もちろん揶揄もされたし、非難もされた。
 しかし、自分のこころの声と内なる基準に素直に従ったのだ。
 もし言葉が大きな障害になって、医療ができないとすると、医療はサイエンスではなくなってしまう。
 途上国で臨床医療をすることが、時代遅れならば、目の前にある先進国で行われている臨床医療そのものも否定されるべきものだからだ。
 
 今から思えば、それらは常識などではなく、単なるトレンドであったのだ。

 果たして、途上国の数万人の人間がその恩恵を受け、たくさんの人生が救われた。
 英語などしゃべれなくても国際医療をしたものは数千人に達し、実際の途上国の患者たちに医療を届けた日本人は数千人に達した。
 
 つまらない世間の常識など、吹き飛ばしてしまえばいい。

 日本でも医療過疎地があるのに何で外国なんだ?
 日本で小児科医が足りないのに、なんで外国でやるのだ?
 自分ではそのために行動できない人たちの非難をたくさん受けた。
 そんな彼らの常識に目もくれずに、自分のこころの声に従った。

 その結果、海外に来た人たちの力を借りて海外だけでなく今では日本国内の僻地・離島に派遣した医療者も100人以上になった。
 日本の小児科がなかなかできないがんの子どもたちと家族のための事業も始めることができた。

 今回もラオスから1歳の小児腎臓がんの女の子をつれてきて日本で治療する。

 何でその子だけなんだ?
 ほかにも一杯、同じような子がいるじゃないか?
 と声が聞こえそうだ。
 
 一人も海外のそんな子どもを助けることができない人間たちがそんなことを言っても説得力があるか?

 一人でも助かりゃいいじゃないか!
 
 多くの人を助ける仕組みを作るのは大変なことなんだ。
 その大変さも知らないから、簡単に建前論を言う。
 
 そんなこと、簡単にできていれば日本で医者たちも今みたいに苦労はしていない。

 力ない人間はこうして、一人ひとり丁寧に助けていくしかないんだ。

 ラオスの腎臓がんの1歳の女の子は8月、日本に来て治療を行うことが決定した。

 

 

by japanheart | 2014-07-19 10:27 | 活動記録 | Comments(1)
1歳の小児腎臓がんの子どもを救いたいと思う

 ミャンマー、、、カンボジア、、、ラオスと移動し治療をしながら生きている。
 今日まで、ミャンマーで中四国の合同小児外科のチームと合流し、小児の手術をおこなっていた。

 この6日前、ラオスで治療中に1歳の子どもがおなかの固まりを見せに来た。
 
 子どもは検査の結果から、小児の腎臓がんだと思う。
 現地での検査代ですでに母親は限界らしい。
 ラオスでもこのような病気は多くは治療できないのだろう。
 
 この病気は、本気で治療すれば治る可能性も十分ある。
 日本で手術する。
 やるかやらないか?
 いつもこの選択なのだ。

 おそらく、やってほしくない人は誰もいないだろう、、、。
 また、お金が必要だな、、、、、。また、みんなに渋い顔されるかな???
 
 この子、一人だけでも助かれば私が国際医療に人生賭けた元は取れるかもしれない。
 そう考えると、もう十分に人生の終始はプラスをいただいている。

 早めに動き出そう。
 時間はあまり与えられていない。
 
 では、ラオスおよび日本スタッフのみんなよろしくお願いします。
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                (この子を、よろしくお願いします。)
               
 

by japanheart | 2014-07-07 10:08 | Comments(0)