特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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再現性という魔術

再現性という魔術


 私は”ゴッドハンド(神の手)”ともてはやされている人間は、好きになれない。
 別に、嫉妬からそう言っているのではない。

 組織を、あるいは医学と置き換えてもいい、それを発展させていくためにもっとも大切なことは何か?
 上にいる者たちの芸術性と下にいる者たちの再現性だと思う。
 
 マニュアルというものがある。
 これの正体は、下にいる者たちの平均への引き上げの目的にある。
 能力高きものは、マニュアルに従えば当然、パーフォーマンスは低下する。
 なぜならば、人を相手とする場合、この世に同じ人間は存在しないからだ。
 医療で考えると分かりやすい。

 ある患者が、重症の治療の状態にあるとき、この患者に薬を与えるタイミング、その量、あるいは人工呼吸器の設定を変更する条件などは、すべて最適化されるべきタイミングというのがある。
 ところが、マニュアルというのは、何時にどのくらい薬を使い、何時に血圧をはかりとすべて決まっている。
 それは、能力が低いものが患者を看る場合にはかなりメリットが多い、しかし、医療のレベルが高いものがそれに従うとき、患者にとっての最適化のタイミングをみすみす逃すことになる。
 よって結果は、実力以下になる可能性が高い。

 では社会にとってマニュアルを作ることは是か非かといわれれば、それを作るほうが圧倒的に利益が大きい。
 STAP細胞を引き合いに出すまでもなく、再現性をなすことが科学であり、それが人類の進歩を約束してきたといえる。

 ゴットハンドな人間は、再現性がない。
 よって、社会にとってはメリットよりもデメリットのほうが大きい。
 私たちが考えなくてはならないのは、そのゴットハンドを誰もができるものにどう仕上げていくかということである。

 彼しかできない手術を、ある機器を発明することによって誰もが再現可能な技術にすることが科学であり、社会利益が最も達成されることなのだ。

 ゴットハンドを会いも変わらず重宝する日本は、医学が科学ではなくて、芸術であると勘違いしているらしい。
 それはよくないことだ。

 それは突き詰めれば、宮本武蔵が、銃弾を切り落とすという幻想まで抱かしてしまう。
 達人 宮本武蔵はほとんど未訓練の兵隊が撃った銃弾に当り死んでしまう。
 その兵器を発明するのが科学ということだ。

 だから私はスタッフを再現性をもって引っ張り上げていこうと誓っている。




by japanheart | 2014-05-24 10:38 | 活動記録 | Comments(0)

男と女の関係で考察する

男と女の関係で考察する


 ジャパンハートは若い男女が多く参加するせいか、おめでたい話も多く影ではジャパンハートのことを、
 ”出会い系NPO”とありがたくない名称で呼ぶ人たちもいる。

 今日はそんなダイレクトな男女関係のハナシではなく、仕事あるいは就職と自分との関係を男女関係にたとえると分かりやすいので考えてみたい。
 
 最近、ジャパンハートが事務局スタッフを募集するに当たりたくさんの人たちの応募をいただいて面接を繰り返しているのだが、正式採用する前に3ヶ月アルバイト期間というか試験期間をおいている。

 ジャパンハートという男性に、あなたという女性がアプローチしていると想像すると分かりやすい。

 その時、面接のときに、たとえばある人がこう言ったとする。
 「保険等の補償をしっかりしてもらえないならば御社に勤めるのはちょっと、、、。」
 当然、就職を希望するというのは相手(この場合、ジャパンハート)に惚れていることが前提になっていると考えたい。
 あるいはお見合いでもいいのだが。
 この場合、男女関係に喩えると、こういう台詞に変わる。
  「ご飯をおごってくれるならば、一緒に時間を過ごしますけど、、、、。」
 
 もしあなたが本気で相手に惚れていたら、あなたはご飯をおごってくれないといって、デートに行かないだろうか?
 本当にその男性をものにするためには、自らおごってでもデートに持ち込みたいと思わないだろうか?
 それほどの仕事でなければ、あるいは職場でなければ、今時のNGOなどの職場(一般の会社に比べて待遇が悪いことが多い)に転職してくる魅力などあるのだろうか?

 あるときジャパンハート側からこう切り出す。
  「では、アルバイトで3ヶ月様子を見ましょう。お互いに、相性が合うか確かめれるので」
 と言ったとしよう。
  これに対して、あまりいい顔をしない人もいる。

 これは男女関係で言うと。
  「では、まずは友達からスタートでお願いします。」ということだ。
 これに対して、いい顔をしないのは、個人的には、えー!友達からじゃダメなの!!と驚いている。
 いきなり、初対面で恋人になろうとするのは、少しきついと思うのだが。

  先日は、かなりの待遇の現在の職場を辞職する覚悟で面接を受けにきたある人が、帰り際に一言こういったのだ。
 「返事をずっと待っています。」

 これを男女関係に喩えると、
  「あなたがその気になってくれるまで、いつまでも待っているから!」になる。

 人も組織も構成する人間が日々を織り成すゆえ、そのあり方はそう変わるものではない。
 今の日本や先進国が行っている保証は、個人の権利の名の下に、ある場面ではあまりに手厚すぎ、ある場面ではあまりに手薄すぎるようになっている。

 企業は、本当に企業のためにやってくれている人間はもっと大切にしなければならないし、そうでない人間はそうする必要はないと思う。
 しかしながら、法律はそのように運営されていない。
 本当に成果を出しがんばっている人間も、サボりまくって遊んで給与だけもらうために働いている人間も、一個人として同等に扱う。これでいいのかな??
 
 能力の低い人を切り捨てる社会は間違っていると思うが、能力が高い人を、そうでない人と同等にしか扱えない社会も違っている。
 何も保証のない中でこの活動を始めた、というかそういうことすら考えたこともなかった。今までずっと給料もなしでやってきて、それが当たり前で、また生きがいでもありの日々だから。
 現地に来る医療者の多くも、無償どころか、自分で費用一切合財負担してきている人たちに囲まれて朝から晩まで働いていると、まず、給料はどのくらいもらえるのか?保障はどうなっているのか?と当たり前のことだけど、いきなり言われると、何となく腑に落ちない感じがするのだ。
 
 人間生きていかなくてはならないし、家族もいるから仕方ない。
 仕方ないけど、、、、なんだ。

 いい待遇を期待する人は、日本のNGOでは就職はまだ少し時期が早いかもしれない。
 今は精神的な生きがいとか、人の役にたちたいとか、将来の経験をためたいとか、そういう金銭的な欲求と少し違うものを求めに来る場所かもしれない。

 あと10年もしたら、そういう人たちの金銭的・安定保障な欲求にも応えられるようになっているかもしれない。

 
 

by japanheart | 2014-05-18 02:26 | スタッフと想い | Comments(0)

未来のイメージを絞る

未来のイメージを絞る


 日々、同じ時間を過ごしていると段々退屈になる。
 人間というのは、一旦、征服してしまうと山でも、男女関係でも、手技でも、国家でも、、、。
 興味が半減してくる。

 そこで生まれる余力というか、未消化感というかそういうものが先へ進むエネルギーになっていくのだろうが。

 先日、約2週間の間に、200件ほどの手術をチームで行った。
 もちろん若いスタッフは、医師も看護師もがんばっていて大変充実した時間を過ごしていたに違いない。
 ところが私はというと、確かに体は年々きついが、この未消化感が強く、満足などしない。
 あるおいしい食べ物を食べ続けると、何度目にかは、
 「うん、おいしい。この味、この味。こんな感じ。」という程度の事態になるが、私のとっての200件の不朽の2週間はそれとさして換わらない。

 そこで生まれてきたこの余力を集めて、ある形にしていく。
 それが未来の目標ということになる。
 だから、日常をサボっていたり、目の前の事態に振り回され続けている人間には、未来の目標は生まれにくい。
 
 最近気付いたのだが、そのときにはじめの未来の目標というかそれと、ある未来の時点にたったときのその現実との乖離があまりに大きくなっているのはなぜか?
 どうして想像した、あるいは希望した未来と現実がこうもずれまくってしまうのか?

 この原因は一体?

 その答えが少し分かり始めた。

 それは今の自分という存在や思考の認識のイメージが現実とずれているからなのだ。
 それを修正しなければ未来は、時間と共にどんどんずれはじめて、ある一定時間がたてばすっかり現実が希望や想像とずれていることになる。
 それはそれでいいと言う人もいるかもしれないが。
 
 これを修正する方法を私なりにすでに考案をしているが、今日は書かない。
 灯台下暗しだが、誰もしていない方法で、少々、アイドリングに手間取るが誰にでもできるといえば誰でもできる方法だと思う。

 ヒントをひとつ。

 聖書の言葉。
 はじめに言葉ありき!
 をかみ締めよ。


by japanheart | 2014-05-09 10:28 | 活動記録 | Comments(1)