特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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本物とは

本物とは

 今回の放送でも、多くの反響をもらってありがたいが、「本物である」ということについて考えてみた。

 医療をする。海外でも国内でもどっちでもいいのだが、医療を医者として、あるいは看護師としてする。

 本気でしないという生き方が、私にはあまりわからない。
 適当に時間から時間を流される。
 そんな人生は真っ平だと思っている。
 収入を得るために、適当に。
 生きてみる?


 どうせ医者になるなら、一流をめざさなければ、社会にとっては迷惑だと思わないといけない。
 一流の内容は、人それぞれでよい。
 どうせアスリートになるなら、やっぱり一流を目指す。
 社会がそれを期待し、そのために多くの人が勇気をもらえるのだから。

 本物の生き方というのは、実は無いと思っている。
 本物とは所詮、他人が与える称号に過ぎない。
 だから、あるのは本気の生き方とそうでない生き方だと思っている。

 要は、本気で生きる、いつも本気で生きる、それを繰り返すと、他人目を通して本物が現れる。

 だから、本物には誰でもなれる。
 自分の使命を直感し、ひたすら本気をさらけ出してみる。
 5年、10年、少しずつ、本物が他人の瞳に中に現れてくる。

 この世には、本物と偽ものの人間があるわけでない。
 本気の人とそうなれない人がいるだけだ。
by japanheart | 2009-07-29 02:09 | 活動記録 | Comments(3)
リスクを見極めるーその3

 子どもの熱が下がった。(高サイトカインと考え、ステロイドも使ったからか?)
 40℃を超えていたが、今は36℃ちょっと。
 腸も少しづつ動き出し、今日から水分が開始された。
 もうすぐ食事も始まるだろう。

 母親はようやく安心してニコニコしている。
 子どもは私を見て不機嫌そうにしているが、その他はそうでもないようだ。

 何もなかった。
 何もなかったとき、すべての事柄が通り過ぎ、当たり前のように記憶から忘れ去られてゆく。
 もし、この子どもに万が一のことがあったら、きっと私の記憶に残っていったことだろう。
 これで忘れられる。
 やがてこの子の顔すら思い出せなくなる。
 
 よかった。
  
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by japanheart | 2009-07-25 02:27 | 活動記録 | Comments(16)

43℃

43℃

 全くクーラーが効かなかった。まあ、ほとんど効く事は少ない。
 夏場、特に今頃は手術室の中は40℃をゆうに越える。
 息をするのもつらい。

 この中で手術を1日中行い続ける。
 頭が少し痛くなる。
 この狭い6メートルX6メートルの部屋の中に患者を入れ、10人がひしめき合って、手術が行われる。
 扇風機が回る。熱風を回転させる。

 今日は朝から8件手術を行い、夜の9時に終了した。
 1件、明日に延期した。
 2年前は多分全部やることができた。
 しかし今は、明日にしようと思ってしまう。
 
 いつまでこんなことを続けるのだろうか?
 
 私が未来に見る世界がある。

 メイド・イン・ジャパンの世界医療団を生み出すことだ。

 そこまで頑張るしかない。

 かつて100年以上前は政治家達が、50年前は企業家達が通った道だ。

 日本人にまだ”誇り”という言葉があるのだろうか?
by japanheart | 2009-07-24 01:28 | 活動記録 | Comments(7)
リスクを見極めるーその2

 昨日の子どもについて。少し弁明。

 実はご指摘のように、高サイトカイン血症は考えていました。
 麻酔は、初回の手術も局所麻酔で約20分で終わっています。
 こどもも比較的ぐったりしていたので、痛みもなく終わっています。
 ですから、麻酔ガスによる悪性高熱等の状態や、挿管による合併症もあまり考慮していませんでした。
 初回手術時の薄いヘルニア嚢を通して見られる腸の色は決して悪くなく、今まで、壊死した腸管を何度も見てきた私は問題ないと判断して、腸をおなかの中に戻しました。 
 (専門外の人には面白い会話でなくてすいません。)

 しかし、何か起こってしまっては打つ手立てのないこの場所で、必要以上のリスクを踏んで様子を見るかという判断が必要になります。
 日本なら、様々な検査をして何とかアプローチや経過観察をという選択肢を取ったかもしれません。

 私のこの地で行うときのたった一つの誓いがあります。

 それは、
   「患者が来たときよりも、悪くして帰さない」
 ということです。

 これが私の質の医療です。

 もうこれ以上、ひとりも私の前では子どもたちを死なせたくないのです。
 
 
by japanheart | 2009-07-23 02:22 | 活動記録 | Comments(1)

リスクを見極める

リスクを見極める

 こんな状況のなかの医療活動だから、いつも診断機器より、自分の経験と感性を信じている。

 昨日、ヘルニアの陥頓(腸などが体の穴ーたとえば筋肉や筋膜などでできた穴ーの間にはまり込むこと)で5日間もたってからやってきた1歳の子どもを緊急で手術した。
 手術が上手くいった。
が今日、39度から40度の熱が続く。

 腸が破れているのか?
 お腹の中へ戻した腸が腐っているのか?

 もし破れたり、腐っていたら今日明日にも命が危なくなる。
 もう少し様子を見るか?
 早めに手術をして確かめ、いざとなったら腸を切り取るか?

 子どもは体力的に余裕は無い。
 
 私たちにその状態を確かめることができる機器も無い。
 命のリスクを犯して様子を見るか?
 ?どうする?
 心は、少し重たい現実に腰が引けている。

 しかし、今から緊急で開腹手術をしよう。
 こういうところでは、少し遅れるとそれが命取りになる。

 腐っているのか、そうでないのか。
 破れているのか、そうでないのか。

 私のエネルギーを点に凝集するように、一気にお腹を開け、腸を調べた。
 腐ってはいない。
 破れてもいない。
 
 子どもは大丈夫だ。
 すぐにお腹を閉じる

 開腹からわずか15分、閉腹。
 局所麻酔と最小量の血管麻酔。
 子どもは、お母さんを目で探している。

 多分、感染による熱か?
 抗生剤でこれから攻める。

 2週間後、この子どもが元気に帰る姿を想像する。
by japanheart | 2009-07-22 03:14 | 活動記録 | Comments(2)

看護指導者たちへ

看護指導者たちへ

 また、大口を叩くと思われるかもしれないが、将来の看護師達のために、あえて悪者になろう。

 今の若い看護師たち、看護師という職業に誇りと可能性を感じているのか?
 看護師は医者の、補助じゃない。と本当にはっきり誇りを心から持って言い切れる看護師がいったい何%いるのだろうか?
 私は嘆いているのだ。
 なぜならば、ジャパンハートは看護師中心の組織だと認識しているからだ。

 ここで研修を受けている看護師たちは、自分の能力に目覚め、医療に喜びを感じ始めている中で研修を受けるうちに、医者になりたいと言い出す人も一人や二人ではないからだ。

 以下、ある看護師の私にあてた手紙の一部を紹介したい。

「日本の看護の質は決して悪くありません。しかし残念ながら向上してゆくための学びの機会も環境もありません。もっと深く患者と向き合えるための医学の知識と技術を学べる場として、医学部を選び、より患者に入っていける、向き合える、自分らしく子どもたちに母子に手を差し伸べることができるための手段として医者になるという選択をしました。」

 大体、こんな感じに皆なっている。
 いったい看護師とは何なのだ?
 医者になることができない医療者志望のものがなる職業ではないだろう?
 看護師の誇りとは何?
 指導者達は、看護師をどう育てているのか?
 小手先の専門ナースという分野を増やしても、看護師の中で階層ができるだけで、医者との関係性は変わらないだろう。
 学びの環境、機会というのは、そういう小手先のことではないはずだ。
 看護師そのものに対する学びであり、環境なのだ。
 看護師では深く患者と向き合えないという看護師は多い。
 そりゃ、毎日、しかも時間ごとに担当の看護師が変われば患者も深い人間関係など結んではこない。
 
 指導者には是非考えてもらいたい。
 指導者自体に、自分に、魅力があるか?
 ただ単に指導者研修を受けたから、指導者では若い世代は魅力も感じなければ、尊敬もしない。
 ただ、権威に怯えて言うことを聞いているだけだ。
 そんな中なら、真の教育など生まれるすべも無い。
 
 看護の学校では、真の実践的教育はできない。
 患者に接し、責任を負うという環境が教育の前提だ。
 だから学生達は甘いのだ。

 しかし、本当の問題はそこではなく、看護師になってから、上記のような状況が看護師たちの中にあることに問題がある。
 離職率は高い。
 なぜか?
 医者はそんなに離職率は高くないだろう。
 最初の2年は明らかに研修医よりも看護師のほうが給与もいい。
 しかし研修医は離職しない。
 若い看護師は大量に離職する。
 なぜか?

 本気で指導者達は考えねばならない。
 
 私は嘆いている。
 なぜ、医者である私が看護師に看護師の誇りと夢を与えなければならないのか。
 どうして多くの看護指導者がそれを与えられずにきたのか。

 私に言わせれば、看護師は本当に魅力と夢のある職業だと思う。
 患者の生死、心の痛みに、患者の苦しみに、治療という手段を離れて接することができる唯一の存在。
 その気になれば、患者が最も心を開くのは看護師なのだよ。
 
by japanheart | 2009-07-18 01:14 | 医者の本音 | Comments(2)
再び、ミャンマーへ向かう

 日本にたった2日だけ帰ってきた。
 父親の病状を見るために。
 1日だけ家族と過ごすことができた。
 子どもたちはそれでも、いつもと変わらず喧嘩ばかりしていて、とってもほほえましかった。

 父親は相変わらず、気管に穴を開け、透析の機械もまわっている。しかし、意識が少しづつよくなってきた。
 何かを訴えるのだが、はっきりわからない。
 手を少し動かし、何かを伝えようとするが、わからない。

 四十年以上、親子として生きてきて、このくらいの意思疎通もできないとは、情けない話だ。
 患者の心の声を拾える、ということは私には難しいかも知れない。

 親子とは、互いに心を探りあわないことが多いので、逆に難しいのか?

 毎日、普通に生きている。
 毎日、感謝を忘れて生きている。
 当たり前のことが、当たり前でないことがわからなくなる。

 うちの父親がこうなるまで、生きている父親、母親、私と妻や子どもたち、という構図がいつまでも続くと錯覚していたような気がする。
 父親は私より早く死ぬ。
 こんな当たり前のことを突きつけられて、次はいよいよ自分の番だと認識した。

 心が、運命が急げ、急げといっているような気がする。
 
 さらに進む。もっと早く。

 みんなを置いてけぼりにするくらいに離したい。
 
by japanheart | 2009-07-15 17:51 | 随想 | Comments(0)

美しき夕べ

美しき夕べ

 忙しくてもそうでなくても、毎日朝は病院前の御茶屋で時間を過ごし、リズムを取る。
 
 様々なリズムの乱れが、大きな失敗を生むという考えを持っているゆえ、特にリズムにはうるさい。

 一日が終わるころ、イラワジ川の夕焼けを見る。
 何も起こらず、静かに終わった一日は、何者にも勝る快感を生む。
 
 今日も誰も傷つけずに済んだ、、。

 ここで、これ以上の喜びはない。

 夕べを迎えるときの心持は、武道でいう‘残心‘のようなものだ。

 思考はなく、ただ心が静かにあるだけのの状態。

 
by japanheart | 2009-07-14 21:40 | 活動記録 | Comments(0)

情熱大陸 放送日

情熱大陸 放送日

 情熱大陸の放送日が繰り上がりました。

 7月26日(日) 夜23:00から
 毎日放送、TBS系列で放送されます。

 なんと、私は現地にいるので見れません。

 今回は東ディレクターと真剣勝負です。 
by japanheart | 2009-07-13 21:40 | リンク集 | Comments(1)

語り合うこと

語り合うこと

 サガインでの活動中、いつも時間を見つけて、スタッフと語り合う。
 いや、語り合わない。私が一人でほとんどしゃべっている。
 今の現状のこと、自分の課題のこと、将来ののこと。
 色々聞いて勝手に感想を述べる。自分の経験や考えを述べる。

 日本で今一番不足している人材は何かと聞かれれば、私は教師だと答える。
 知識や技術は教えても、人生を教えてくれる人は少ないと思う。
 本当に尊敬したり、心から敬意を払える人に導かれることは大切だ。
 私達は子どもの頃、ほとんどは親にほめられたくて、親を喜ばせるために、皆頑張った経験が、心や人生に織り込まれている。

 だから、親代わりの人を何らかの形で見つけることができれば、素直にその人にほめられたり、その人をがっかりさせないために猛烈に頑張ることができる。

 そんな関係を組織の中に持ち込むことができたり、教えを受ける人との間にもち込むことができればきっとその人の能力を開花するためにいい方法になるかもしれない。

 本当の愛情を基盤とした教師と生徒の関係、そんな関係をこれから目指してゆきたい。
by japanheart | 2009-07-10 00:10 | 活動記録 | Comments(0)