ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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暑さに負ける

暑さに負ける

 暑さに負ける。
 なんか2週間ほど続けて手術をしたらすっかり挫けてしまった。
 朝から手術室は40度を超える。
 昼の休憩を挟んで夜まで手術は続く。
 果たして、去年は何とか持っていたが、すっかりグロッキー。
 汗が術野に滴り落ちる。

 年年歳歳、こんなものかもしれない。
 足腰がついていかない運動選手のようなものかな。

 ここへ来る人たちは少なくとも私より若い人が多いが、いつものことながらみんなタフだと思う。

 若いときからがんばる。それが結局、私の歳になったときに、すなわち体力が落ち始めたときに、本当に能力として何を持っているか問われ始めたときに、化けの皮が剥がされる。
 今、本を出版して結構買ってもらっているが、言葉では伝わらない部分がある。
 だから本当は直接、感じてもらいたい。

 少しずつ会合などにお呼びがかかるようになってきたが、本物とそうでないものとの違いはすぐにわかる。
 ただ世間は、本当に切れる刀を恐れて望まない。
 刀のように見える木刀を、望むのだ。
 本当に切れる刀は、その人自身をも傷つけることを良く知っているからだ。
 ただ見せ掛けがいい、自分も傷つけない偽の刀を、振り回して生涯終える。

 本当に、本物の人間になりたければ、一度本物に切られてみるといい。

 1年、2年、3年、4年、、、。
 同じことを続ける人がこの世界に何人いるかな?
 10年やってみたら、きっと本物になる。
 あまりそんな人間の話を聞いたことはないが。
 今日は、エイズをやって、2年後は開発をやって。4年後は、衛生教育をやってでは、本物になれるかな?
 学生時代のいい思い出として、国際医療、国際協力をやってでは、本物になれるかな?

 20年後に、30年後に、若い世代に、相手にされていないと思うが。
 必要とされていないということ。

 妥協しない日々の連続のなかで、刀の切れ味は研ぎ澄まされてゆく。
 木刀では磨いても、切れないよ。
by japanheart | 2009-05-31 01:27 | 活動記録 | Comments(1)

断水と停電

断水と停電

 何度か書いたかもしれないが、断水と停電に悩まされている。
 体験したら、これは相当につらい。
 そして、毎日酷暑の中、汗をかきかきやっている。
 水すら浴びれない。しかも真っ暗。

 入院は75名を超え、長いすがベッドに変わる。
 スタッフたちは相変わらず、元気そう。
 なんか自分だけしんどがっていて、なんともいえない気分になる。
 それで、今いる医師たちに、おっさんやおばさんが来たら、どんな人でも疲れてぐったりするはずと言ってみせた。

 何度もここ時期を乗りきってきたが、毎年つらい。

 今日、口唇裂の22歳の男性を手術した。
 なんとこの青年、私が14年前の彼が8歳の子どものころにここから150キロ西で私が手術にしたが、感染を起こして傷が外れていたそうだ。今回あの地域から、トラックで10名ほどの人たちを連れてきて今、手術している。
 あのころ、手術がうまくいかなかった子どもたちが何人もいる。

 またあのころの子どもたちを探しだして、15年前の未熟だった自分にけりをつけたい。
 
 
by japanheart | 2009-05-28 00:15 | 活動記録 | Comments(0)

患者溢れる

患者溢れる

 どうやら私がサガインに帰ってくる前、暇な時間があって、ここにきた新しいスタッフたちは忙しくないと文句を言っていたらしい。
 今1週間ほどで、ベッドがほぼ埋まり、患者が50名を突破した。
 忙しいらしい。
 簡単な手術も多いが、患者たちはみな遠くから来ているので、それなりに丁寧に扱って、ゆっくり養生をして帰ってもらいたい。
 新しい医師たちもいよいよ仕事に没頭し始めたようだ。
 若干1名、日本に婚姻届を出すといって帰った暇な医師もいるが。

 ところで、私のお気に入りの御茶屋がなくなってしまった。
 ここの病院の婦長の娘がやっていた御茶屋だが、どうやら婦長が首になったらしい。
 個人的には婦長はどうでもいいが、お茶屋までなくなるとは。

 午前中、若い医師や看護師を働かせておいて自分だけこの御茶屋で甘い紅茶をイラワジ川の風に吹かれながら飲むのが私の唯一の楽しみだったのに。
 また別の楽しみを見つけないといけないではないか。

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 ミャンマーのお茶は、この暑さの中での飲むと、普段決して甘い紅茶など飲まない私でも本当に美味しく感じる。
 ここを訪れる客人にはぜひ、ご馳走をしたい。
 それまでには必ず代わりの御茶屋を見つけておきたい。
 
 残念。




 
 
by japanheart | 2009-05-25 02:51 | 活動記録 | Comments(0)

甘えない心

甘えない心

 最近、特に気になることがある。
 学生たちが流行かもしれないが、私には何をしたいのかちっともわからない。

 国際協力をしたい、あるいは将来国際協力をするといって今も、集まってはいろいろやっているが、
本当にするのか?
 私は組織をつくり、システムを生み出そうとしている人間なので、システムや組織に乗っかってやっている人たちとは自ずと考えやあり方が違う。
 だからただ格好よさやイメージだけでこの世界を見ている人間は、戦争を何かしらカッコいいと思っている人間に思えてしまう。私は戦争でいえばいわば、前線でジャングル戦を戦っている特殊部隊のようなものだから、かっこよさの欠けらもない。
 それで、私に何か話を聞きたいとか、アドバイスを求められても、ただ甘えないで、まじめに生きていろ、としかいえない。
 
 私は必死の人間にだけ可能性を感じる。
 若くして私の話を聞きたいのなら、私と向かい合いたいのならば、自分の全部を差し出す覚悟があるか?
 私は、小さな手術でも本気でやっている。決して手を抜かない。
 だから、自分より若く、経験がない人でも本気で向き合う覚悟がある。
 
 学生でここへ来ても、いろいろ意見を言う人もいるが、いくら立派なことを言っても本人のレベルを見て、心で舌を出している。
 あらゆる状況を学生を笠にきて甘えてはいけない。
20歳を過ぎた大人なら、まったく死ぬまで、大人と同じに生きねばならない。
 大体、国際協力の周辺にいるいい大人たち甘やかしている。
 自分たちが常日頃から、甘えた生活をしているから若いやつらを甘やかす。

 鉄は熱いうちに打て、は誰でも知っている格言ではないらしい。
 
 
by japanheart | 2009-05-22 23:27 | 医者の本音 | Comments(0)

再び、ワッチェから

再び、ワッチェから

 再びワッチェに帰った。
 年年歳歳、暑く感じる。
 とても気持ちよかった日本の季節にお別れし、いきなりこれはなんともつらい。

 せめてマンゴーを食べよう。毎日5個は食べよう。

 ゆっくり手術が始まった。
 子供の手術を中心にゆっくり始めている。
 今年はJSファウンデーションという財団から、子供の治療用にまとまったお金をもらっている。
 多分、半年くらいはこれでいけるかもしれない。

 少しずつでもいい、確実に患者を治療してゆく。
 これは苦しかった去年の教訓から学んだことだ。
 究極の質の追求
 私たちにとってそれは治療によって、一人も不幸な人を出さないようにすること。
 決して、多くの人たちを幸せにすることではない。
by japanheart | 2009-05-19 00:15 | 活動記録 | Comments(0)

書籍


 書籍を2冊発刊します。

 1冊目は5月22日にamazon(アマゾン)で買えるようになりそうです。一般書店店頭では5月25日から。

  飛べない鳥たちへ

吉岡秀人 著   風媒社

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  私の生いたちから,そして95年から現在までの活動記録です。

 

            


  2冊目は 6月中旬に発売予定です。また,改めてインフォメーションします。
   冨山房インターナショナル からの出版になります。
  

 

 
by japanheart | 2009-05-16 01:53 | リンク集 | Comments(0)
国際医療団 ジャパンハート

 ジャパンハートとは?
 改めて説明しておきたい。

 この組織のコンセプトはすなわち、
 医療の届かないところに、医療を届ける
 である。
 個人的には極めて、大雑把過ぎるかなと思うが、多くの医師や看護師などの医療者が、このコンセプトに賛同しましたといってやってくるから、結構、困惑している。
 このコンセプトは、国内外を問わず、全ての医療事業が、僻地医療という概念を底辺において行われるということである。
 だから海外だけでなく、日本の僻地や離島にも継続的に人的なサポートをし医療活動をしている。
これがおそらく多くの国際NGO組織と違うところかもしれない。
 そして毎年、国内外で100名以上の医師や看護師たちが動いている。
 
 この組織を立ち上げたとき、応援してくれる多くの人たちが、真のボランティアを望んでいた。
それは、日本人の一般の人たちがボランティアというのは、通常は物質的なものは、何も受け取らないで奉仕する行動のことと理解しているということもよく分かっていた。だからこそ、私たちはこの活動に参加して、最低1年半は無給・無償を貫いている。さらに、活動に参加するに当たって必要となる航空券代金や保険、食事代も自己負担で出さねばならない。航空券などの経費を出してほしいという人たちもいるが、そういう人は断っている。このような活動は、自発的でなければ意味がない。自発的ならば、他人に何かを期待するのは間違っている。
 どうしても分からないのだが、そのくらいのお金を自分で出しても、破産するわけでもないのに、どうして経費を出してもらわないと参加しないなどという考えになるのだろうか?そんなにお金がほしければ、ボランティアなどやめて、お金を日本で稼いでいればいい。お金もほしい、いい精神的活動もしたいという、同時に二つも取れるほどのあなたは能力のある人間ですか?と私は心の中で実は相手に聞いている。
ともかく、

 ジャパンハートの活動は、
 
 1. 海外での医療活動
 2. 国内僻地・離島での活動
 3. ガンやエイズの人たちに対する家族旅行のサポート
 4. 途上国で看護師の養成
 5. 小学校での衛生教育、保健室の整備
 6. 災害孤児に対する長期的教育支援活動
 7. 医学生・看護学生に対する教育奨学金

 などである。

 ここからは極めて個人的な見解もあるが、私は今日本でも多くある援助の概念、すなわち欧米流の「強者が弱者を救う」、でなく、日本流に「相手と和する」すなわち「相手を理解」し「自己の立場と無関係(己を忘れて)」に「相手のために尽くす」という組織を生み出してみたいのだ。
 お金のこととも関係するが、
 自分が満たされないと奉仕できないようであれば、それは真の奉仕者ではない。
 奉仕ということは、日本では神や仏に対して使われた言葉だから、奉仕活動でお金を要求するのは、神や仏にお金をくれと言っているのと同じことになる。
神や仏と人間との関係は、ギブ・アンド・テイクではないだろう。

 本当に生活が苦しくなったとき、今飢えていない自分の境遇を、神仏に感謝するのだ。
 その時、かつて宮本武蔵が言った、神仏は尊び、、、、という言葉の重みを知る。
 
 やがてその感謝の言葉は天に届き、天は静かにもっと大切な何かを応えてくれる。


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by japanheart | 2009-05-15 22:45 | 基本 | Comments(0)

違和感

違和感

 きっとまたこんなことを言い出すと、多くの仲間たちはうんざりして警戒するだろう。
が、敢えて言っておきたい。思考はエネルギーなので、ほっておくと弱まってゆく。

ジャパンハートは今多くの関係者の協力の下、今年も派遣するスタッフを100名以上は出すことになりそうだ。それで何をするかだが、というのも参加する多くの人たちは、自分が何をしたいか、何をするかは考えているが、今年一年、組織が何を目標にしててやっているか、あるいはどのあたりを目標にしているかは、全くといっていいほど興味も関心もない。
大丈夫かな?船がどこへ向かって、どのくらいのスピードで進んでいるかも知らない。目的も知らない。

少しくらい組織がしっかりしたり、大きくなったりしただけで、すぐに安定し、現状を維持しようという力が働く。
個々人に、ビジョンがないのだろうね、と思う。

未来のゴールから線を引き、今どうするかを決めないと意味がない。
この意味が分かるだろうか?
どこかの組織のように、代表が名誉だけほしがって、やっているとやがて腐り始める。

ジャパンハートをもってして何をなすか?というのが大事。
とすると、明らかに今の現状は私の要求を満たしていない。
毎日スタッフたちが、現状の中で一生懸命動き、それなりに幸せで、それなりに大変そうにしていることに、違和感がある。

さらに、その現状はいつも受身であり、積極性に欠けるところにも不満がある。
うだうだしている時間があれば、外へ出て友人を作る。
人の話を聞く。
何でもいいのだが、エネルギーを閉じ込めてはいけない。

昨日、大学で働いていた頃の恩師の国立病院長青山先生に会っていたときに、院長が私が大学にいる頃、一気に大量の論文を書いていた頃の話をはじめた。もう昔のことだが、私は著者として論文を年に30本くらい書いていた。書いたことがあるものなら、この数の意味は分かると思う。正直、ほとんどがくず論文だが。ーちなみに、大学の修士課程、大学院というのは通常、2年かけて一本論文を書くーそれで、私はいつも5から6本くらい論文を書いていた。勤務中は急がしいいので、夕方から夜中にかけて病院で書いていた。大体いつも2時頃までやって、それから帰宅していたかな?
古い病院にはすごい数の貴重なデータが残っていて、ただそれに誰も気付かず、誰も使わないから、私がやっていただけのことだが。 
その頃のことを思い出して、吉岡はすごいといってくれたのだが、私はそんなことなんでもない、ただ病院の莫大な過去データという金脈に誰も気付かず、ほったらかしにしていたのを私が、スコップでちまちまと掘っただけです。と答えた。
 事実はその通り。
だから掘れば掘るほど、論文が書けた。

くどくど長くなったが、ここで何が言いたいのかというと、私は昼はしっかり働いていた。そして余った時間でそのくらいの仕事をこなしていた、ということ。

余った時間でできることを、そのときにやらず大切な時間を使ってやっているから、時間がどんどん失われてゆく。
時間配分を上手く自分で決めることができないといけない。
明るいうちは、行動する。
暗くなってからでもできることは、夜、自分の時間を使ってやる。
なんでもそうだろ?
上手く時間を使って余ったら、寝ていたらいい。

人は自分のお金の使い方は点検することもあるが、時間の使い方を本気で点検する人はあまりいない。
by japanheart | 2009-05-14 03:05 | 基本 | Comments(1)

飽きるという感覚

私の動き

 今後の私の動きをどうするか?ということを考えている。
 実際、現地では私の到着を心も待ちにしているかもしれないが、どのくらいの割合で現地とその他を分けるかはいつも悩みの種だ。
 ベットの数は、約50台。どんなに増やしても60というところ。

 実際、本気ですれば約1週間でこの数は埋まる。
 患者たちは、遠くからくるので、追い返すわけには行かない。
 かといって、やりすぎると現地の医者や病院の反発を買う。
 バランス感覚のいるところだ。

 今までの経験で、概ね14日、すなわち2週間くらいが手術を行い、1週間は術後を見るという感覚で行く。
 2ヶ月のうち、20日間ほどが手術期間になる。
 それで年間、1000件くらいになる。
 
 
 そういえば、ここワッチェ病院での活動も6年目をむかえる。
 私は6年以上続けたのは小学校と大学だけかもしれない。
 私は昔から親には、本当に飽きっぽくて辛抱が足りないとよく言われた。
 それは今でも変わらないが、本当に自分がしたいことに巡り会うまでは、誰でもそんなものかもしれない。
  だから自分は何をやっても長続きしないといって嘆いている人も多いが、それほど考え込まなくてもいいのかもしれない。若いうちは。

 誰でも、何かしら没頭するようなことに出会ったら、きっと自分の才能に反応しているのだと思う。
 
 
 


 
by japanheart | 2009-05-12 03:22 | 活動記録 | Comments(0)

楽しいこと

楽しいこと

 最近一番楽しかった、一番自分に印象的だった喜びは何ですか?と聞かれて答えに窮した。

 そういえば一番といえるほど、そんなに喜んだろうか、最近?

 いつも眉間にしわを寄せて生きているような感じだ。

 自分の子どもたちを見ていると、楽しさの原型を見るようだ。
 長男は少し目を離すと、草むらで虫取りばっかりしている。
 次男はすぐ地面で土遊びする。
 
 人は夢中になれる何かを、探したり見つけようとしたりする。
 しかし、きっとはそれは草むらや土のように、今そこにあるに違いない。

 
 
by japanheart | 2009-05-11 03:23 | 医者の本音 | Comments(0)