特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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形成外科

形成外科

 ジャパンハートがここで活動して初めて、専門の医者を呼び、手術を行った。
 今回は形成外科の専門医の先生にお願いした。
 どうしても設備に限界があり、どの科も、どの専門医も呼べるわけではないが、
 形成外科や眼科は比較的呼びやすく、形成はその守備範囲も広いので、役に立つことが多い。
 そこで今回は、静岡がんセンターの形成外科部長 中川先生にお願いしてきてもらった。

 先生が今回行った手術で、そのほとんどは私も出来るが、一つだけ先生に来てもらわなければしていなかったろう手術があった。

 テレビにも出た若い耳の血管腫の女性。
 耳全体が異常血管で腫瘍状になり、簡単に出血し、血管からビュービュー出血しかなり命の危険があった。
 おそらく近い将来出血を起こし、大変になっていたと思う。

 ここで出来るかどうか難しいところであったが、チャレンジしてもらい、うまく取ってもらえた。

 ありがたい。一人の命が助かった。

 謙虚にそして献身的に参加してもらえるなら、これからもこういう人たちを受け入れてゆきたい、と今は思っている。
それが現地のためならばなおさらだと思う。

 最後に、もちろんあらゆる費用は自分持ちで来て頂いた。
 それが、ジャパンハート・スタイルとなっている。
 このルールは私が決め、関係者全てが従っている。
 
 
by japanheart | 2009-01-31 00:18 | 活動記録 | Comments(2)

もうすぐ出発

もうすぐ出発

 そろそろ日本での滞在の日程が終わり、現地へ再出発する。
 正月早々、色々大変になると思っていた滞在は、個人的には静かに過ぎて行った感がある。

 95歳の祖母が脳梗塞で入院し、いつも次男を見てくれていた母が、それに付き添い、次男はかわいそうに私とほとんど一緒に、あちこちを連れまわされていた。
 久しぶりにこんなに長く、しかし少し躾をしながら一緒にいたので今日、ひとつ質問をしてみた。

 「母ちゃんと、父ちゃんとどっちが好き?」------「母ちゃん!」
 少し大きな声で、いいところへ連れて行くから、と飴と鞭を織り交ぜて再度、
 「母ちゃんと、父ちゃんとどっちが好き?」------「母ちゃん!」

 なに!!!
2歳になったばかりの次男は、少しうつむき加減に下を見て、さらに私から目をそらし、
 「母ちゃん!」

 そういえば、長男の口癖は
   「母ちゃんだけ!!!」
 なんでも妻にだけは、おすそ分けしている。

 母強し。

 妻には、もう男はいいから、今度は必ず女の子を産んでくれ!と懇願しておいた。
 今度も男だったら、家庭崩壊するからと真剣に言っておいた。

 これで思い残すことはない。

 
 そろそろ出発の時期だ。



  
by japanheart | 2009-01-22 22:29 | 医者の本音 | Comments(1)

成長

成長

 ETVの放送後、多くの反響が寄せられている。
 それを、少し複雑に眺めている。

 放送を見た方々は、若い医師や看護師の成長に希望を見出したかもしれない。
 技術的にも精神的にも確かに成長していたかもしれない。
 しかし、

 私はそれを成長とは考えていない。
 明らかに作り手と私の間に溝がある。
 ほとんど恵まれない環境を相手にすれば、誰だって精神力が付く。
 誰だってたくさん患者を診て、手術を行えば医師として看護師として技術力も付く。
 確かにそれを成長と呼ぶのなら、確かに彼らは「進歩」している。

 そう、進歩している。

 しかし、私が彼らに求めるものは、「進歩」ではない。

 私は彼らに
    「進化」
 を求めている。

  現地では彼らの今までのあらゆる経験を統合し、触媒をかけ、発酵さているのだ。
 だから日本に彼らが帰った後に、熟成され、しばらくして進化を遂げる。
 さなぎがふ化するように。

  今まで自分のことしか考えなかった人間が、社会や日本のことを本当に考えるようになる。
  今まで全てお金や社会的評価を基準に考えていた人たちが、自分の中に価値基準を持つようになる。
  今まで患者の病気しか、見えなかった人たちが、家族の苦しみや人間関係すら手に取るように把握しはじめる。
  医療とは、単なる治療・診断行為ではないと分かるようになる。

  それを描けていたか?

 ある人からのメールにこんな一文があった。
「「ジャパンハート」見ました、、、、、、、、。
無償の好意、無償の愛の強さでしょうか、でも「ジャパンハート」の彼ら(吉岡、大村、安井、丸山、梅田)医師達の凄さは自分の医者としてのスキルアップのため、自分のためと考えているところでしょう。」


 申し訳ないが、私に関して言えば、私は医者としてのスキルアップなど遠い昔に捨てている。もうそれはどうでもいいのだ。それすら誤解されてしまった。
 もし私から何か得体の知れないエネルギーを感じるとすれば、、、、、。

 それはまた機会があれば語ってゆきたい。

 それを知らしめてくれる表現者がマスコミや映像の世界にいることを祈るのみである。
by japanheart | 2009-01-21 22:31 | 医者の本音 | Comments(0)

語りたいこと

語りたいこと

 私には今日は語っておきたいことがある。

 昨日の テレビ放送の中での一場面。
 私がミャンマーで活動し続ける理由について、太平洋戦争の時に迷惑をかけ、お詫びの気持ちでやっているという言葉が入っていたが、それは今の私の気持の正しい表現ではない。

 私がなぜミャンマーでやっているのか。
 それはミャンマー人に「感謝」しているからだ。決して罪滅ぼしのつもりではない。
 戦争当時、多くの日本人が傷つき倒れた時、飢えて死にかけた時、名もなきミャンマー人たちは彼らを助け、癒してくれたのだ。
 食料のなかった焼け野原の日本にお米を送ってくれたのだ。

 アジアの他の国は少しでも多くの戦争の賠償額を日本から取ろうと決して進んで賠償を決めなかったのに、率先して賠償を決め、それを基準に他の国々が決めるようにしてくれたのだ。

 いつも言うように、国と国にも恩がある。
 それを忘れてはいけない。
 アメリカのようにさんざん痛い目にあわせてから、少しの飴をくれたのではないのだ。

 今、日本はそれを返す時期なのだと思う。
by japanheart | 2009-01-19 23:30 | 戦争 | Comments(0)

ジャパンハート

ジャパンハート

 ジャパンハートのホームページが何らかの理由で接続不能になっております。

 お問い合わせは
   以下のアドレスあるいは電話番号までお願いします。

e-mail は   
   japanheart@e-mail.jp
までお願いします。


 電話番号  03-3734-6206

 までお願いします。

 なを、看護団の方は現在もアクセス可能のようです。

 http://www.nurses-os.org/
by japanheart | 2009-01-18 21:44 | リンク集 | Comments(0)

感謝のしるし

感謝のしるし

 先日亡くなった27歳の女性の家族から、死後3日目に食事に呼ばれた。
 私が4日にヤンゴンに向かっていかなくてはならないために、早めに呼んでくれたのかもしれない。しかしいつもこのくらい早く食事の誘いはある。
 ミャンマー人はどうもせっかちで、こんなときでもなぜか早く早くという感じがある。

 死に対してはとても淡白に感じるが、それも死というものが日常に溢れているからに他ならない。
 昼頃から約1時間のものだったが、家族みんなが集まり総勢15人ほどで私たちの食事をお世話してくれた。
 その間も悲しい雰囲気など微塵もなく、その場は常に笑いに溢れていた。どうせなら自分の死後もこのように家族にはいてほしいと思う。
 暗いのはごめんだ。死んだ後まで家族を悲しませたくはないからだ。

 食事の後に、彼女のお父さんが私たちに、是非使ってもらいたいといって100000チャット(約1万円)を寄付してくれた。
治療を受けれない子どもたちのために使ってくださいといってくれた。

 有難い話だ。

 こんなお金でこの活動を満たしてみたい。できればミャンマー人たちのお金だけでまわれば理想的だ。

 そんな日が近い将来来るような予感がする。
by japanheart | 2009-01-12 06:19 | 病と人間 | Comments(2)

テレビ放送

テレビ放送


2009年1月18日 NHK教育 22:00時から60分間 
ジャパンハートの活動が放送される事になりました。

ジャパンハートのテーマである海外の病に苦しむ貧しき人々の救済と日本医療再生というテーマ
が放送内容です。

ガチガチのドギュメンタリーですが、是非、ご覧下さい。

  ミャンマーに医療のかけ橋を
by japanheart | 2009-01-11 21:59 | リンク集 | Comments(0)

患者搬送に悩むーその6

患者搬送に悩むーその6

日本への帰り道、ヤンゴンでバンコクから帰った22歳の患者を見舞ってきた。
 相変わらず寝たきりだが、意識は搬送前と比べて少しはよくなっているようで、時にはお母さんと呼んだり、問いかけにうなずいたりするそうだ。

 ミャンマーのこの家族は3000ドルを握り締めバンコクの病院へ向かう。
 ミャンマー人のある友人がバンコクで迎えてくれたそうだ。
 その人がこれを治療に使ってほしいと3000ドルを彼らに手渡した。
 入院、治療となり、そして手術、結局15000ドルほどかかったと言っていた。

 いろんな人が助けてくれて何とか支払いを済ませて帰ってきた。
 未だに借金は残っているそうだが、皆、娘の回復を喜んでいた。

 私たちを助けてくれているあらゆる人に感謝しているといっていた。
 どうもその中には私たちも入っているらしく、何となくばつが悪い。
 
 しかし家族の姿を見たときに素直に私も嬉しかった。
 家族あってのこの患者で、私は何度も家族みんなに
「この子をここまで回復させたのはあなたたちの愛情と絆で、それ以外はないですよ。」
と言った。

 家族とは本当にありがたい。
 貧しくてもいい家族を持つことは人として、最も価値あることのようだ。
 今の日本にはこの姿はないような気がする。
 豊かな家族を演出はできても本当に作ることは難しい。
 日本人たちは一体、どうしたらこのような家族ができるのかを知らない。
 だから子どもが親を殺す。子が親を殺める。
 お年寄りが取り残される。

 ミャンマー人を見ていて思うのは、貧しい中で皆、自分の役割をしっかり演じている。
 それぞれがしっかり役目を果たし、必要以上にそれを犯すことはしない。
 日本人は親が子どもの役割を奪い、侵食する。
 子はその役割を避け、敬遠する。
 お年よりはすっかりその役目を放棄する、あるいはさせられる。

 いつかも書いたが、本分を知るは大切だ。
 相手の本分を奪ったり、放棄させるのは愛情ではない。
 そういう意味では試練もまた愛情だ。
 どうせ自分が死んだ後、親は子どもを守れないのだから、稚拙な愛情を示すより、本当に生きてゆく力を与えるのが愛情だともっと実感すべきだと思う。
 子にとっても親にとっても辛い作業だが、楽して何かを得ようとしてはいけない。
 人生とははじめから苦しいものなのだ。
 しかしその苦しさが幸せを産み落とす親なのだから仕方ない。
 
by japanheart | 2009-01-07 00:37 | 活動記録 | Comments(0)

体温のある医療ー最終

体温のある医療ー最終

 先日の続き、そして最終。

 今日1月1日、約45日に及ぶ激しい病状との戦いの末、27歳の女の人は息を引き取った。
 苦しくなっときいつも耳元では、彼女のお姉さんが仏教のお経を読んで聞かせていた。
 夜眠るときも、お昼の時間も。
 もう15年近く、寝たきりの彼女はいつも横を向いている。
 でもほとんどの事は良く分かっていて、言葉は失っているが、意識ははっきりしている。
 いつも何を考えていたのだろうか?
 
 彼女のお兄さん、3人のお姉さんたち。
 いつもいつも彼女を見守っていた。
 
 彼女の心臓がすでに止まり、まだ体温が暖かいとき、私は家族に向かってこう言った。
 「あと10分でこの子の心臓は止まります。そして死にます。お姉さんたち、どうぞ耳元で仏教のお経を彼女のために上げてあげてください。彼女の耳は、聞こえているはずです。」

 それから10分間、2人の姉たちの同じお経が何度も何度も、彼女の耳元で繰り返された。

 病院の中で、スタッフや家族の心の中でその音律が何度も木霊する。
 周りにいる家族、医療スタッフはそのお経を聞き静かに泣いている。

 これがミャンマー人の死に方なのだと思った。
 何年もこの土地でやってきてようやく最近そんなことがわかってきた。

 仏とともにあり、仏とともに死す。

 私はその光景を静かに見守っていた。
 
by japanheart | 2009-01-02 00:02 | 活動記録 | Comments(0)