特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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本当にしんどい

本当にしんどい

 最近、毎日手術が終わるのが夜中の2時ころになっていて、就寝が朝4時。

 みんなよく持っていると改めて思う。

 齢43だが、本当に最近肉体に堪える。 手術のときもすぐに椅子を貸してくれと腰掛けることが多くなった。医者はやっぱり体力が勝負だと思う。
 それにしても、年年歳歳患者が増えてきて、どうするかな?と思う。

 求められてこその医療。
日本のように、医療機関が患者を求めていると、医療がゆがんでしまう。
ここには医療の原型がある。

実はそれが医療本来の、患者側にとっても医療者側にとっても幸せな医療だと思う。
by japanheart | 2008-07-31 04:46 | 活動記録 | Comments(0)

患者を治療する恐怖

患者を治療する恐怖

 私はいつも患者を治療することが、恐ろしく感じている。
かつて私の責任から命を失っていった人たちのことをいつも思い出す。

どうして自分の子供を医者にすることを望む親が多いのか理解に苦しむ。
私なら、自分の子供には医者だけやめておけと言う。

どう考えても医者の責任は重過ぎる。人の命など簡単に預かることなどできない。

今日、5歳の子供が死に掛けた。大手術でもない手術の途中で、突然息が止まり、心臓が止まった。
かつての苦い記憶が蘇り、どうしてこんなことにまたなってしまうのだと、何度も自問した。

運良く、それは私のおかげでもなく、全く運良く、子供は息を吹き返し、心臓は元気よく打ち出した。

親からは心からお礼を言われる。

本当に、針のむしろのようだ。
むしろこの子の異常を術前に見抜けなかった私には落ち度がある。
分かってもいないから、突然に事態が襲ってくる。
悲しいことだ。

その後一人の看護師が、私の元にやってきてこう言うのだ。
「すいませんでした。私がもう少し早く気が付けばよかったのですが。、、、」

またもや針のむしろがひかれる。

このようなことがあるたびに医者を辞めたくなる。
もう十分だと自分でも思っている。

しかし、このような経験を未来に生かせなければ、亡くなった患者たちは
二度死ぬことになる。

それが分かっているから、悲しくも続けているのだ。

どうして医者なんかになってしまったのだろうといまさら考えている。

患者を治療する恐怖は、いつもいつもここにある。
by japanheart | 2008-07-27 02:34 | いのちの重み | Comments(0)

目指すものーその2

目指すもの

 昨日の続き。

今を、精一杯生きれたらどれほど、幸せだろうか?
私たちは、本当に恵まれている。
今から40年前は、少なくとも、日本人は家庭や家族のために自分の可能性を放棄してきた人も多かった。

 うちの親父などはそのさいたるものだ。
 私より、はるかに才能に恵まれ、はるかに優秀だったが、うまく生きることができなかった。家業の仕事を継ぎ、時代に翻弄され、エネルギーをもてあました。
 毎日のように、お酒を飲み、友人たちと週末はマージャンに興じ、生きていた。
時間をもてあましていたのだろう。才能をコントロールできなかったのだろう。
同じような年齢になってみて、気の毒に思える。

 私たちには、十分なチャンスが与えられている。
 反社会的な行動でなければ、何をしても誰も止めはしない。
 自分さえその気になれば、才能をもてあますことも、時間を無駄に過ごすこともしなくてもよいのだ。
  
 人間は暇すぎると、ろくなことは考えない。忙しくしかし、着実に自分の人生を楽しむべきだ。
 
 一流の人たちが、おそらく将来自分の宝としている思い出は、何かの授賞式のワンシーンではない。野球の選手ならば、バッターボックスに入って、いい仕事をやり遂げたシーンであろうし、科学者も人からほめられたり、持ち上げられたりした場面ではなく、有名な賞を受賞したときでもなく、自分の研究が達成された瞬間こそ、本当に人生で宝の場面になる。

私たち医療者たちは、患者たちが癒されてゆくその過程に存在する瞬間瞬間、これこそがおそらくもっとも大切なシーンではないかと思っている。

苦しむ子供の痛みが、消えるとき。
病に苦しんでいた子供が癒され、母親がそっとその子供を自分の懐に抱くとき。、、、、、

そこには、地位も名誉もなく、ましてやお金など入り込む余地などない。

このことを繰り返し、次世代の人たちには感じてほしい。

大して長くない人生のなかで、本当に求めるべきものは何か?
形なきものの中にこそ、本当の価値は眠るのだ。
by japanheart | 2008-07-24 20:49 | 基本 | Comments(0)

目指すものーその1

目指すもの

目指すものは何だろうか?
皆何を求めて、このような活動に参加するのだろうか?
最近、特に深く考えている。

医者としてすでに真ん中あたりを過ぎて、若い頃を振り返り、目的もはっきりしない中、上を目指して皆やっていた。
アメリカへ行けば、何かを手に入れることができるかもと、行ってしまった仲間。
すごい外科の腕を磨けば何かが生まれると信じて、ひたすら働いていた仲間。
若い頃から、偉くなるといってはばからなかった仲間。
などなど、、、、。

みんな今頃どうしているだろうか?
目的は達成したか?
それで今幸せか?

それはあたかも、太陽に向かって、進む蝶の群れのごとくであった。

どこまで、偉くなろうと、海をまたいでどこへ行こうと、医者としての本当の幸せなど手に入りはしない。
もし医者としての幸せがあるとすれば、今、ここに、それはある。

来年、もっと腕を磨いてやってきたいといって、二度とやってこなかった人も一人や二人ではない。
自分の人生に本気の人間は、常に今、勝負する。
そして負けたときに、考えるのだ。

人生はそう長くはない。
医者や看護師としての時間など、もっと短い。

不平不満を言うまい。
未来のためにといって、今を犠牲にしない。そのときにはまた、今を犠牲にして、未来を作ろうとする。そしていつまでも、幸せはやってこない。




 
by japanheart | 2008-07-23 20:48 | 基本 | Comments(0)

復興支援

復興支援活動
HP上に公開したコメントを敢えて今日はブログに書いてみたい。

「最近被災した一軒ごとの個別調査の結果,以下のことが分かった。 ①明日食う米に困っている人も多く,借金をして食いつないでいる。WHOは到底全域をカバーする能力はなく、今後いくらまっても来ないところには来ない。 ②2ヶ月たっても屋根を直せない人たちはいまなお毎日雨漏りの中生活をしている。彼らが今後屋根を直せる見込みは少ない。 そこで我々のスタッフが村ごとの米の大型配給と貧困家庭に対する屋根修繕を始め対と決意を新たにしたよう。 それに加えてサイクロンで親と亡くした子供達に対する10年単位の長期の教育支援プロジェクトを始めることになった。対象はあちこちに散らばる約40人の被災孤児たちになる。一時的でない,本気の援助を考えている。 」
by japanheart | 2008-07-16 23:54 | 活動記録 | Comments(0)

日々の関り

日々の関り

 日々、私たちの活動に参加し、働き続ける。
多くの人たちは、私たちの団体でやりたければ2年間は無償で働いてくれといっている。
もちろん無理な人には、途中で仕事をすることも私は受容している。

 先日、広島へまた行ってきた。
 ある僧侶の方に、ご支援をいただいている関係で、時々お会いしに行く。
 齢80を越え、ますますお元気で、エネルギー溢れる方である。

 先日は長谷川看護師を同行した。
私がいつも言ってきたことと重なることも多い。
私は私の経験から汲み取ったものだが、この方は原爆体験をはじめとして様々なご苦労を背負われており、ご自分の経験から話されるとかなり言霊がこもっている。
 この方は宗教家としての観点からとてもわかりやすく話される。
一番印象に残っているのは、次の一言だった。
 「逃げることなく、業を迎え撃て」
力強い言葉であった。

 長谷川看護師もついついおごっている今の自分が打ちのめされたようだと言っていた。

 このような方の話は多くの人に、宗教の垣根を越えて聞いてもらいたい。
 この方の経験は、すでに宗教を越えている。だから尊い。

 1年を過ぎると、多くの人は言葉に出さなくても皆、無償でやっているだの自腹を切ってやっているだの、自分の時間をこの組織のために使ってきただの、心の中で思ってきて私にはうるさいのだ。恩着せがましく言われるくらいなら一人でやる。

 そういえばとふと私は思ったのだ。
 どうして私は自分がそのように思わないのだろうかと?
自分で創った組織だからか? 答えはNO.
いつも楽しくて仕方ないからか? それもNO. 苦しいことばかりだ。
 答えはよく自分でもわからないが、
 息を吸うように、当たり前すぎて、意識すらしなかった。

 給与がでない・・・・・・当たり前。  
              お金がほしければ他のことをしている。
 自分の時間やお金を使ってきた・・・・・・当たり前。
                       自分の人生を自分でそうすると決めたから。後悔はない。

  だから、当たり前すぎて、そういう人たちの大変さが上手く理解できていないのだと思う。
  思わぬ苦労をかけているかもしれない。
  
 その僧侶の方が、若い長谷川看護師にこう言ったのだ。
「私が今の考え方を身につけて、あなたの年齢になれたら、どれ程良いかと思う。あなたがうらやましいよ。」

 時は金なりだ。

 いちいちお金の事など、気にしていられない。
 
 

 
by japanheart | 2008-07-15 02:07 | 随想 | Comments(0)

ある子ども

ある子ども

 前に書いたことのあるある子どものこと。
今年の4月に水祭り、ミャンマー人にとっては正月とお盆が一緒にやってきた季節。
生まれつき肛門がなく、そのため便もでなくて、そのままでは死んでしまうので、人工肛門を生まれてすぐに造った子どもがいた。

 1歳を過ぎて肛門を造る、これは正確には、おなかの中の腸を引っ張り降ろし、肛門に縫いつけ皮膚を開け外に縫い付ける手術なのだが。

術後、安静が上手く保てなくて、縫いつけた腸がはずれた。しかも感染を併発して、お尻の割れ目が全て開くくらいになってしまった。そのため日本人スタッフが水祭りの期間も残り、感染の消毒を続ける予定であったが、家族にどうしても拒否され、仕方なく、穴の開いた腸を再び閉じ、割れてしまったお尻を太い糸で縫い合わせた。
それでも感染がひどければ、また糸ははずれ腸に穴が開き、お尻はがっぽりと割れてしまう。それを恐れていた。
しかし、うちへ返さなくてはならず、スタッフが泣く泣く見送った。

あれから2ヶ月。
知り合いの人を通じて、子どもと親を呼び寄せた。
人間はなんともろくて強いのだろう。
すっかり傷はふさがり子どもは元気だった。

もう一度手術ははじめからやり直しになったが子どもは少し私たちに対して警戒しているが、すっかり元気になっていた。

来年、もう一度手術する。
無料で手術するから必ず来るようにと親に伝えた。

また、来てくれることを祈っている。
by japanheart | 2008-07-10 01:14 | 子どものこと | Comments(0)

さまざまな思い

さまざまな思い

 最近今までになく、制約が増えてきた。
 何かが私たちの気づかないところで起こっていると思っていた。
 
 どこにもなくて私たちにあるのはおそらく情報力で、その網にさまざまなことが引っかかっていた。

 その理由をようやくつかんだ。
 ある組織が、こちらの政府批判をした映像を流したのが理由だと思う。

 私には分からないのだが、何が何でも批判をしなければならないというのは、常軌を逸している。
 朝から夜まであの高温多湿の中を黙々と働く軍人たち姿を、何度も見てきた。

 問題はいろいろあることは私にも分かっている。
しかし批判を繰り返せば、間違いなく今回の被災者には不幸な結果を生み出す。
批判することよりも、その人たちを助ける、その人たちのために何かするほうが、建設的だと思う。今はそういう時期だ。少なくとも批判は私たちが今することではない。それをする人たちは別にいる。

 私たちがしているのは今回の被災者救援だけでなく、同じ国の別の場所で、今も普通に貧しく黙々と生きている人たちを救う作業もあるのだ。

批判はそれも失うことになる。
今回のみの参加している人々もあるが、私にとっては迷惑なことも多い。
この国の対応や考え方を知らないでやっていると、大きな問題を引き起こす。

今日、市内へ行ってみたらある中東で一番有名な航空会社のオフィスが閉鎖されていた。
ある現地人がこういうのだ。「何か怒らしてしまって、出て行かなくてはならなくなりました」

築くのは時間もかかるし、本当に大変だ。
しかし、失うのは一瞬だ。

他人事ではないと本気で思っている。
by japanheart | 2008-07-03 00:53 | 活動記録 | Comments(0)