ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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派遣看護師募集

派遣看護師募集

ここには日本から多くの看護師たちが、ボランティアに参加しています。
おそらく年間、のべ30名になると思います。
全てを無償で働き、しかも給与は一切ありません。
本当のボランティアを募集しているのです。

世界で通用する経験と知識、そしてものの考え方を持つようにするのが私の仕事です。
10年後の国際医療の指導者を作る作業です。

来年度もおそらく多くの人が応募してくるだろうと思います。
多すぎる募集者に対して如何にチャンスを作ってあげることが出来るかが私の仕事です。

9月中旬から本格的に募集を開始します。
by japanheart | 2006-08-25 12:28 | 活動記録 | Comments(3)

何も知らないということ

何も知らないということ

今日、外来に2歳の男の子が母親に連れられてやってきた。1月以上前からお腹が膨れていたらしい。
診察してみると、左の上腹部に大きな固まりを触れる。

超音波をしてみる。かつて日本で小児医療に関わっていたころに見たことがあるエコー像だった。
おそらく、WILM'S 腫瘍に間違いないだろう。子どもに多い腎臓からでる悪性の腫瘍のことだ。生存率はけして良くない。特に今回のような場合には手術だけで助かることは少ないと思う。
私の手元には抗がん剤はない。あっても外国人の私には使わせてもらえないだろう。

仕方なく、大都市の小児病院に行くように紹介状を書いた。いつものむなしい作業だ。
書いてもお金の問題から行かない人が多い。行ってもお金が足りなくなってやがて村に帰っていく。
この子は村の子。親の身なりも貧しい。

手術をしても再発してくる可能性が大きいのなら、本気で治療するか、何もしないかのどちらかが良いと今は考えている。運命は何もしないという方向に傾いている。

この子も親も病気のことは何も知らない。ただお腹に固まりがあるとだけ説明した。
この国でがんであると宣告することは、全ての可能性を否定することと同義だ。
この子はもちろん、親も誰も何も知らない。
帰り際、子どもが母親の背中に抱きつき、とても心地良さそうに顔をうずくめている。
背中と子どものお腹がしっかりとくっつきこの親子の絆を見るようで幸せだった。
あと少ししかこの親子には、この時間は残されていない。

そして、私だけが今、この子の未来を少しだけ分っている。
by japanheart | 2006-08-23 23:19 | 子どものこと | Comments(5)

エイズの関して

エイズの関して

アジアの国々ではエイズの問題は深刻だ。
この国でも、タイやインド、中国からエイズが流入してかなり患者がいると推測されている。私がここで活動を始めた95年当時は、それらしい患者を何人も治療したが、なかなか検査が出来ないために、確定は難しかった。
今はこの国でも比較的簡単に、血液検査ができるようになり、患者を特定できる。

2日前に、若い女の人が夫に連れられて発熱と呼吸困難でやって来た。
体を一通り診察し終えたあと、どうやらエイズだろうと考えた。結果はやはりそうだった。

私がいる仏教系の病院では、エイズの患者をコントロールできないという理由で入院を拒んでいる。
心情的には納得しがたいが、それも仕方ないのかもしれないとも思っている。
結核等の感染に罹りやすい患者の院内感染コントロールが出来ないのと、血液の処置が完全でないからだ。

明日、大きな町の感染病棟に患者を送る。
家族は気の毒だとおもう。患者も呼吸困難を押してそこまで数時間動かなくてはならない。お金もかかる。心から同情する。しかし、現実は重くのしかかる。

薬は買うことは出来ない。この国の人にとっては高すぎる。一月の薬代は家族の年収をはるかに超える。それを買えば家族は明日から路頭に迷う。見方によっては、この人は命を失うことで家族を救っているともいえる。

命ははかないものだ。
命に関して現実感もなく、いつも懐に抱え込んでいる日本人達には分かりにくいだろうが、人の命は、風に吹かれる木の葉のようにいつもふらふら舞っている。
今日の死を待つ患者は、明日の私かもしれない。
死は私にとって身近なものだ。本当は誰にとってもそのはずだと思うが。

死を見つめない生からは、鬼気迫るものは生まれにくい。一刃の下に人は究極の能力を発揮する。

私たちにはせいぜいたった数十年の生しかないという事実を、人は心地よく受け入れることが出来るだろうか?
by japanheart | 2006-08-23 06:55 | 病と人間 | Comments(0)

治療中止という選択

選択

6歳くらいの女の子が、右足のひどい骨髄炎で入院しました。
数年来わずっらているようで、しかも村の子です。
これは本当に長くかかるだろうという覚悟で入院させました。
1月ほど抗生剤の点滴を継続し加療してきたところで問題が発生しました。
この子は父親と入院しているのですが、この父親もこの女の子も人のお金を取ったり、物を盗んだりするようで、入院患者たちの間でも大きな問題になっているようでした。

私もしばらく考えましたが、仕方なく治療を中止し、村へ返すことにしました。

私たちの心とは裏腹に、時として思わぬ選択を迫られることがあり、なんとも言えないような気持ちになります。
by japanheart | 2006-08-22 00:47 | 活動記録 | Comments(0)

61年前の記憶

61年前の記憶

今から10年ほど前に、私はここから150キロほど離れたメッティーラという町で医療活動を続けていました。
その町はかつて日本とイギリスの間で激戦が戦われた町で多くの同胞の英霊も眠っている町でした。そこで活動を続けていくなかで、あるとき老人がこれを日本人に返してくれないかと、一枚の古びた写真を私に託けました。
丁度、戦後50年目の年。

どうせ見つけることは出来ないと思いつつも、それを日本にただ持って帰り手元に置いているうち、引越しで押入れの奥へ。
それが、昨年出てきて、今更ながらこの写真の家族に戻らないかと思うようになり、ある人づてに頼んでいます。九州の部隊も多いということで西日本新聞が掲載してくれたようでした。
今はまだ、見つかっていないようですが、、、。

古い記憶、我々日本人の古い記憶のような一枚の写真。
そこから、貧しくとも美しかったかつての日本の姿を私は感じることができるのです。

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by japanheart | 2006-08-18 21:31 | 戦争 | Comments(0)

暑いミャンマーで再び。

暑いミャンマーで再び

今日現地へ戻ってきました。
様々な方々と日本で会い、お話をしてきました。
これからの構想のこと、今の活動についてなどなど。

最近気がついたことですが、私が会っている人たちがここ数ヶ月、社会的に影響力ある人たちばかりになってきたように思います。
自分では自分の社会的役割の拡大など分かりにくいのですが、鏡に当てるように見るならおそらく、私の社会的役割は間違いなく、すごいスピードで拡大しているはずです。

今その自覚を持って、様々な人と会い、考え行動しています。

明日は8月15日、ここミャンマーでも20万人の日本人が亡くなっています。
明日は皆で慰霊碑に詣でようと思っています。
日本の未来のために。
by japanheart | 2006-08-14 22:34 | 活動記録 | Comments(0)