特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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成長

成長

 ETVの放送後、多くの反響が寄せられている。
 それを、少し複雑に眺めている。

 放送を見た方々は、若い医師や看護師の成長に希望を見出したかもしれない。
 技術的にも精神的にも確かに成長していたかもしれない。
 しかし、

 私はそれを成長とは考えていない。
 明らかに作り手と私の間に溝がある。
 ほとんど恵まれない環境を相手にすれば、誰だって精神力が付く。
 誰だってたくさん患者を診て、手術を行えば医師として看護師として技術力も付く。
 確かにそれを成長と呼ぶのなら、確かに彼らは「進歩」している。

 そう、進歩している。

 しかし、私が彼らに求めるものは、「進歩」ではない。

 私は彼らに
    「進化」
 を求めている。

  現地では彼らの今までのあらゆる経験を統合し、触媒をかけ、発酵さているのだ。
 だから日本に彼らが帰った後に、熟成され、しばらくして進化を遂げる。
 さなぎがふ化するように。

  今まで自分のことしか考えなかった人間が、社会や日本のことを本当に考えるようになる。
  今まで全てお金や社会的評価を基準に考えていた人たちが、自分の中に価値基準を持つようになる。
  今まで患者の病気しか、見えなかった人たちが、家族の苦しみや人間関係すら手に取るように把握しはじめる。
  医療とは、単なる治療・診断行為ではないと分かるようになる。

  それを描けていたか?

 ある人からのメールにこんな一文があった。
「「ジャパンハート」見ました、、、、、、、、。
無償の好意、無償の愛の強さでしょうか、でも「ジャパンハート」の彼ら(吉岡、大村、安井、丸山、梅田)医師達の凄さは自分の医者としてのスキルアップのため、自分のためと考えているところでしょう。」


 申し訳ないが、私に関して言えば、私は医者としてのスキルアップなど遠い昔に捨てている。もうそれはどうでもいいのだ。それすら誤解されてしまった。
 もし私から何か得体の知れないエネルギーを感じるとすれば、、、、、。

 それはまた機会があれば語ってゆきたい。

 それを知らしめてくれる表現者がマスコミや映像の世界にいることを祈るのみである。
by japanheart | 2009-01-21 22:31 | 医者の本音 | Comments(0)