体温のある医療-2
2008年 12月 19日
この患者は、あるお寺に預けられていた。
そのお寺の中で、地元の看護師が一人で、面倒を見ていた。
私の元に訪れたその看護師は、私にどのような薬を処方したら良いか聞くのだ。
状態も状況もわからないが、かなり危ない状態が予想され抗生剤を通常量の2倍、頭に菌が入っている髄膜炎を起こしていても、全身に菌が廻った敗血症を起こしていても対応できる薬を指定し、それを用意するように指示した。
この国では薬は薬局で自分で買うことが多い。
それから数時間後、私の仕事が一段落した頃、そのお寺に患者を診に行ったのだ。
呼吸は弱り、肺の雑音も激しく、ひどい肺炎を起こしていた。
全身に菌が廻っている、あるいは頭に菌が入っているかは不明だった。
それから数日このままそこで患者は治療されることになった。
少し熱が下がり気味だったが、3日目、近くの大きな町マンダレーに私が出かけていると、
電話がかかってきた。
原野看護師からだった。
「患者の女の子が、呼吸は1分に60回もあり。とても浅く止まりかけています。今吸引機を病院から運び、吸引して痰を吸い出しました。少し良くなりましたが、まだ大分しんどそうです。」