体温のある医療-1
2008年 12月 14日
数日前、昔から知っている看護師が尋ねてきた。
自分が面倒を見ている患者の女の子について相談してきた。
その子は22歳で、もう15年ほど寝たきりになっている。
子どもの頃から、痙攣が頻発し、10歳には寝たきりになってしまった。
手足は強く曲がり、ちじこまっている。
20日前から熱が出て、いくつかの病院に行った。
どこの病院に行っても、診察もされずに、遠くから若い医師たちが見て、手に負えないと思ったのだろう。
大きな街の病院に行くように勧められる。
家族は、だれも麻痺を治して欲しいとは言っていないのに、ろくに話も聞きはしないから、そのような反応になってしまう。
家族は今出ている高熱を下げて欲しかった。
責任を逃れたい医師たちは、患者を見ただけで、すぐに心が逃げる。
診察をすれば、責任が発生することをわかっているのだ。
熱が出ておそらく、20日目、40度を越える高熱になって4日目に私の元にやってきた。
しかし、今いる病院の関係者は、入院を拒否する。
生きるか死ぬかわからない患者の入院はいつも拒否される。
死ねば病院の評判に響くと考えているらしい。
この病院の、表には淋しく看板が掲げられている。
そこには、
「 24時間、いつでも救急患者を受け入れています」
とミャンマー語で書かれている。