1週間の終わり
2007年 07月 31日
この地へ帰ってきてからようやく1週間。手術も何とか終了しつつある。
子供の手術も多く、病棟は子供がウロウロしている。
日本と違いなかなか清潔な環境も保てないため、医師や看護師が苦心して環境保持に勤めている。
今日はスタッフで乳がんの患者達について話し合った。
ここは保険制度が無いので、全額自己負担。おまけに村の患者達の現金収入は少ない状況がある。
乳がんの宣告をされても、手術以外の抗がん剤等の治療を数年単位で続けることは出来ない。そして、仮にある程度お金があり治療を受けれる場合でも、その副作用にも耐えれる人は少なく途中で治療放棄してしまう。
日本での治療成績を見ても、彼等に家・田畑を売り払い、更に借金を重ねて、治療を受けに行きなさいとは言えない。
医療は経済活動の一部だと思う。
建前は誰でも知っているが、現実を無視するわけにはいかない。
だからここではここの医療の形があると思う。
ここでの乳がん治療の基本は、手術だけ。抗がん剤は基本的に無理。成績も悪いだろうが、現実である。
心から同情するが、私に出来ることは何かを考えてやっていくしかない。
私には全てに人は救えない。私が救える可能性があるとしたら、たったひとり。今、目の前にいる患者だけだ。