喜びも悲しみも
2006年 03月 22日
人の世の常とはいえ、喜びがあれば悲しみもあります。
今日も一人、恐らく食道の静脈瘤による吐血が起こり、朝から患者をマンダレーにある大きな病院に搬送しました。
もともとは肝膿瘍という肝臓に膿の溜まる病気の治療で入院していたのですが、もともと基礎疾患として静脈瘤を持っていることは予想していました。
患者は恐らく金銭的問題もあってここにいて治療を続けることを懇願していましたが、残念ながらここには治療をするための胃カメラも薬もありません。
今後彼がどのようになるかは不明です。
毎日多くの患者達がココで治療を終えていきます。
一方で私たちには、当然全ての病気を治せるわけもなく、人的・金銭的資源も無尽蔵にあるわけでなく、という分かりきった現実があります。
多くの治療不能の患者を背中を見送ってきました。
それは少し寂しげな、ある意味、敗北感すら感じるような心持です。
限られた環境の中で、どこまで自分の人生をかけて挑み続けることが出来るのか、日々その連続です。
今日も、そして明日もまた続いていきます。
長期で医療を行うということ、それは喜びも悲しみも同等に背負い込むということだと思います。