外国から患者を日本にーその5
2005年 12月 17日
今回の結末。
今回、この女性は日本に手術を受けにいけるということで準備を進めていました。
そして受け入れ側病院、最後のカンファレンスである科、おそらく形成外科の医師が手術に反対しました。理由は手術後の顔の形成に十分な期待が持てないこと、そしてこの女性が腫瘍が悪性のものでないことでした。悪性ならたとえ術後、顔の形成が悪くても、許されるのだがということでした。
私は、この決定を受けて日本行きをあきらめざるを得なくなってしまいました。
そして、どうしてこのような結論になったのかを、改めて考えてみました。
それは前に書いたとうり、ある短い時間軸の中で、結論を出しているこの病院の医師と、この患者を過去から、現在そして未来へと長い時間軸を引いて考えているという私の違いにあるのだと結論を得ました。自分たちの手術が、どれほどうまくいくのかということを中心に考えたのだと思いました。この女性が、この10年で味わってきた苦しみと、そして今の状況、もし手術を受けれなかった場合、受けて顔の形成がうまくいかなかった場合の将来、そしてそのリスク。途上国の一女性が多くの困難を押し切り、乗り越えて、日本のような国に行くための努力.確率。そして今回いけなかった場合、将来再び幾多の困難を押し切ってそれが可能になる可能性。
それらを総合して、判断すべきであると私は考えています。
しかし、、。日本の彼らの決定を私は受け入れています。
私にはこのような活動をする中で得た大切な教訓があります。
自分で道は切り開く。そして誰にも期待しない。ただ感謝するのみ。
今回この患者や家族にとって一番の幸運はなんだったのか?
それは、私に出会ったことだと、いつの日か思ってもらえるようにしてみたいと思います。
私はまだぜんぜん諦めていません。
次の手を今も考えています。
そしてそれがだめならまたその次の手を。