再現性という魔術ーその2
再現性の効力についてまだ、認識不足のようだから今日も再度、それについて話したい。
究極の再現性はどういうときに発揮されるか?ぴんと来ないからその有効性を認識できない。
究極の再現性は実は、生死を分ける戦争のようなときにこそ発揮される。
山本七平さんが生前、第二次世界大戦の日本兵の優秀さについて書いた場面がある。
一読されたし。
その優秀で強靭な兵士たちは、武器ももたしてもらえず到底、日本兵ほどの訓練も受けていないアメリカの若い兵隊たちに火炎放射器で黒焦げにされたり、爆弾で吹っ飛ばされたりしてしまった。
それ以外にも、もちろん戦闘機のパイロットたちの優秀さは戦争が始まったときには世界でも群を抜いていたと思う。
しかし、その優秀なパイロットたちは結局、初期のうちにほとんどが死んでしまった。
名人ばかりをそろえても、それに続く平均的な人々も育っていなかったからだ。
どのようにしてアメリカがその人的なギャップを埋めたか。
その人的ギャップを上回る圧倒的な兵器を作り出したのだ。
戦闘機もしかり。
この再現性は、別の言葉でいうと、科学性と言い換えてもいいのかもしれない。
科学性を、もって事に当るようになれば、個人の頭の中から思考が飛び出し、構造的に、そして具体的になっていく。
構造的、具体的なものは誰にも再現が可能になる比率は圧倒的に高まる。
東洋医学と西洋医学の差は実はそこにある。
東洋医学の名医たちの医術は、再現性に乏しいゆえに、持続性が薄い。
彼らはまさに芸術家のようなものだ。
だからこそ私は、ジャパンハートという組織を再現性のある組織にする。
そうすることで組織にも、活動にも永続性が生まれる。
それができれば、社会が受けるメリットは圧倒的に大きくなる。
日本人はマネージメントができないとよく言われる。
それは科学的な思考が、できないことに起因する。
科学的な思考が自分に落としこめるようになると、自然とマネージメントができるようになると思う。
さて、最後にこれはいっておかねばならない。
では最高の形はどういう形なのか?
それは、上に立つものが卓越した芸術性を持ち、下のものが再現性を強く実現できているような組織である。
日本の医者に多くいるゴットハンドたちは、どうも下の人間を大切にしていない人が多い。
あるいは、一匹狼な人が多いのは困ったものだ。
それはすなわち再現性の弱い組織を生み出してしまう。
頭だけでっかくて、体が小さいとバランスが悪くなる。
肉体も組織も同じである。