若者をどうするのか?
若者をどのように扱っていくのか?
あるいは、
若者がどのように生きているのか?
という命題は国にとっても個人の人生にとっても非常に重要な事柄だ。
戦争中、日本人が若者たちをどのように扱ったかを考えれば察しもつくが、年寄りばかりが残ってしまうような状況では国の未来は決して明るくはならない。
戦争は多くの若者が戦いそして死ぬものだ、だから未来を明るくしないことは自明ということになる。
しかも、年寄りたちがその指示を出しているから始末に終えない。
今の日本の将来が暗く見えるのは、経済の問題よりむしろ若者たちの相対的な減少によるものだ。
日本の経済で暗かったら、アジアの国々の未来はもっと暗いことになる。
貧しい国の生活や戦争を経験したものなら、人間は生きていくだけなら食物の確保だけで十分だと感じるはずだ。
実は、若者をどのように扱っていくのか?ということよりも、若者たちがどのように生きているのかの方が、さらに重要なのだ。
今の日本が暗いのは、そこのところが一番問題だと思う。
若者たちが、飛躍できる仕組みをしかなくてはならない。
それが、年長者たちの重要な役目になる。
医者の世界を見てみよう。
私の意見は、日本の医者の世界は最悪の状況だと思う。
一般に、多くの医師たちは30代ではまだまだ未熟だと認識しているし、社会もそのように扱う。
医者は40代や50代が中心なのだ。
問題はそのことではなく、若い世代の知力体力ある医師たちが、自分が若いうちは未熟だと考えてしまうその慣習にある。
だから外科医でも、手術を十分にさせてもらえなくても、なんだかんだと理由をつけてその組織に長いできる。
人生はそんなに長くはないのに。
一般の社会を見てみるといい。
20代の若い世代の成功者や元気な経営者がどんどん出てきてみんな焦っている。
それなのに医者たちはのんびりしている。
定年の年齢は同じなんだけどね。
それがなぜかというと、医者の世界は50代や60代の年長者たちが支配しているからだ。
彼らが、自分たちを基準に成功者の社会のイメージをつくっている。
その価値観を若い世代の医者たちも受け入れている。
愚かなことに。
かくて時間と才能が失われていく。
別に20代で凄腕の外科医が出現しても良いし、30歳そこそこで偉大な内科医が出現しても良いのに。
そりゃ、無理でしょ、とあなたは考えるかもしれない。
私は断言する。
あなたの頭も、彼らにいかれている。
若者たちが、自らの可能性を制限しているのは見ていて割り切れない。
古い制度にしがみつかされ、知らぬ間に年老いてゆく。
それは社会的損失ではないのか?
謙虚さのない若者は見苦しいが、才能を封印しようとしている若者は惨めなものだ。
ちりゆく桜の”いとをかし”の物悲しささえ宿らない。
今一度、おのおの、自己のあり方を見つめなおすべし!