久しぶりに口唇裂
2013年 09月 08日
口唇裂というタイトルでブログを書いたのはもう8年も前かもしれない。
あの頃は、確かに今よりもずいぶんとレベルはひどかったと思う、我ながら。
あの頃に、ある専門家からやめた方がいいと遠まわしに言われたこともあった。
じゃ、お前が私の代わりにここに住んでやってくれっていうふうに思っていたが。
よく、未熟なレベルでやるべきでないという人もいるが、私はそうは思わない。
なぜならば、この貧しい患者たちは、どんなレベルの人に治療をしてほしいとはねだってはいないからだ。
彼らは治療というものを受けれるだけで幸せなのだ。本当に彼らはそう思っている。
患者あってこその医師であり、医療だ。
このくらいの専門的実力がないものはこういう活動をするべきでないというのはやっている側、医者側の理屈だ。
私は心臓病も、脳の病気も、肺の病気も、子どもの病気も産科や婦人科も全部診ている。
口唇裂の手術ができないのなら、すべてやめないといけないことになる。
どれも十分ではないことなど若い頃から自覚している。
文句はある人間はここにそれだけのスタッフを連れてきて、同じ成果を上げてほしい。
そう思って20年やってきた。
まあ、ともかくそれでもめげずにやってきた、、、口唇裂の手術。
今ではおそらく年間の新手術件数は、日本でもトップクラスになっていると思う。
専門家たちが聞いたらみんな驚いているから。
最近では専門家がきても、何も言わなくなった。
何せ、ここでは日本の3分の1の時間でやりきらないといけない。
そんなことをする人は少ない。
でも、子どもたちは、家族たちは、本当に幸せそうなんだ。
誹謗や中傷、そして妨害は幾多もあったし、その人の価値観を押し付けられて押さえこまれそうになることもあった。
しかし、めげずにやってよかった。
誹謗中傷した人は、それっきりだからね。
結局、口だけで責任なんて取ってくれないのだ。
たくさんの子どもたちに、未熟な技術で迷惑をかけたけど、ここから少しずつ、世の中にお返しをできそうな気がする。
8月28日から3日間で17件。
口唇裂の手術を、国境の町でやってきました。
子どもたちのかわいくなった顔をどうぞ、見てやってほしい!!