外国から患者を日本にーその2
2005年 12月 04日
前回の続きです。
この女性の治療には多くの問題点がありました。1つはこの国で診断がつかなかったこと。シンガポールに送った検体でもはっきりした答えが出なかったために、治療場所が難しい事もあり、治療が停止されてしまいました。西洋医学の治療を受けれなくなったため、この家族はこの国の伝統医療を受けることにしました。しかし、結果はおもわしくなく腫瘍は増大していきます。
日々悲嘆にくれる家族は、放射線治療を受けるべく決意し、顔面に放射線を当てますが、まもなく左目失明の危機に直面し治療を断念しました。
この女性と家族は私の前に現れました。遠く600キロの距離を動いて私の元へやってきたのです。
私は今まで様々な病気をその専門の如何に関わらず出来うる限りやって来ました。
しかし、今回はさすがに私の経験した事のない場所に腫瘍があります。これをどうしたらいいのか考え続けました。