ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

開祖を超えよ!

開祖を超えよ!

 よく「道」のつく会からの講演があるとこの話をする。

 武道、茶道、そして宗教も。

 現存する大きな伝統宗教などは、平安から鎌倉時代にその流派が興されていることが多い。

 それが1000年近く残って現在に至る。

 それぞれの流派には,その始祖,すなわち開祖が存在する。

 その宗教の一派が生み出された時代、日本は疫病や飢餓、災害など今の人たちが見ると目を覆いたくなるような状況だった。
 世界中どこでも多分、同じだったかもしれない。

 昭和の戦争前ですら、日本人の平均寿命は45歳程度だから、多くの子どもたちが死んでいた。
 その少し前には,2 ・2 6 事件があり、東北地方の惨状を嘆いた一部の軍部がクーデターをおこしたとされている。
 ましてや平安鎌倉時代、人は当たり前に死に、子どもたちの数人にひとりは普通に亡くなり、食べ物は始末で、食物は安定的に与えられることはなかった時代。
 ただそこに生きているだけで、開祖たちは悩み、傷つき,考え、苦しんだ。
 だからこそ、新たなる真理に目覚め、流派を興した。

 今は,恵まれすぎて宗教者も、かつての開祖のようには悩み・傷つき・考えそして苦しまなくなっている。
 だから、開祖の心が分からない。
 開祖の生み出したその教えの真の意味が分からない。

 それは武道の型に似ている。
 型は,かつての達人たちが生み出したものだ。
 すなわち達人でなければその方の意味を理解できないし、使いこなせない。
 型はその達人が、未熟であった過程で創り出されたものではなく,完成されたあとに創り出されたという事実がある。
 それゆえの理を真に理解し体現するためには、それを生み出した達人と同じレベル以上でなければ,理解できない。


 宗教も,同じ。

 それ故すべての求道者は、その在り方として 開祖を超える という志を持って修行しなければならない。

 それ無き者は、その道を廃れさせる一員となる。

 開祖がいかなるレベルにあろうとも、その道に入った限りは、それを目指さなければならない。


 だから開祖を崇めてはならない。
 崇めれば、そこには到達できない。

 キリスト教のように、相手は神ではない。

 釈迦も親鸞も日蓮も、千利休も小堀遠州も、植芝盛平も宮本武蔵もすべて人なり。

 自らの個性を著しく開花させた人たちである。

 心すべきはすなわち自らの個性の著しき開花。

 これのみ心がけ日々、道を進む。

 
 

 
by japanheart | 2012-07-04 23:22 | 医者の本音 | Comments(0)