腎透析セミナー IN YANGON
2011年 11月 27日
ミャンマーに透析を広めることを加速させるために企画した透析セミナーがヤンゴンで開催され、うまく成功したと思う。
講師は、小児腎臓の大御所、瀧先生お願いし、これに専門看護師と専門技師の方にもお願いし、5日間のセミナーが行われミャンマー中から腎臓関係の医師看護師などが集結し、この講演を受講した。
今後もどんどん企画し、提示してゆきたい。
透析というのは、お金がかかる事業になるが、これがないと患者は死んでしまうという現実がある。
日本でこの恩恵にあずかっているのは30万人もいる。
ミャンマーの人口は日本の人口の半分。
これがこの国に広がると、少なくとも15万人の患者たちが将来的に助かるということになる。
5年くらいかけてじっくり取り組んでみたい。
慢性腎臓不全でなくなる子どもをみるのはつらい。
1996年だったと思う。
小学校4年生の女の子が、私が巡回診療していたミャンマー中部の村に牛車で運ばれてやってきた。
約1日もガタガタと本当にしんどくて大変なのにやってきてくれた。
体はぱんぱんに腫れ、すでに動けなくなっていた。
私はほとんど希望なく神頼みのような心境である薬を処方した。
それくらいしかやることがなかったのだ。
だから祈った。
どうかこの薬が効いて、この子が助かりますように、と。
1週間後、再びその村に巡回した。
その子はそこにいた。
1週間前よりさらに体は腫れ、皮膚からは水がしみ出していた。
私はどうしていいのか、わからなかった。
そのとき、一筋の涙を流しながらその少女が、こう言ったのだ。
「おうちへ帰りたい、、。」
私は同じ薬をうつろな気持ちで再び処方した。
親は娘のその言葉を聞き、村へ帰りますと言った。
私はうなずくしかなかった。
それから1週間後、ミャンマー人スタッフがこう教えてくれた。
「あの少女が亡くなったそうです。」
あの少女の一筋の涙とうつろな私の姿を今も思い出す。
やっぱり透析は必要だ。
私にできることは何でもするつもりだ。