特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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宮城県三陸地方の危機的な小児科事情ーその1

宮城県三陸地域の危機的な小児科事情

 東北宮城石巻地域の休日の小児科診療は震災後特に危機的になっている。 震災前のいい頃は8名いた担当医師たちが現在はたった4名に。
もう少しするとジャパンハートのこども診療所が石巻に開設される。
休日を中心に診療をする予定。
 診療施設をプレハブで建設使用としているが、建設のために必要な東北地方の人や物が圧倒的に不足しているらしい。
 なんと順番待ちのような状況。
 少し焦っているが、11月の開院が12月にずれ込みそう。

 以下の内容の記事が日本小児会報に掲載された。
 記事の書き手は、石巻の小児科開業医の阿部先生。
 タイトルは「石巻地区でも医者が足りないー石巻市の時間外診療、休日当番システムの維持が難しいという現状」

 石巻といえば宮城第二の都市。
 そこですら、小児科の休日当番はすでに震災前の昨年12月から4名になっていた。
 そこに今回の震災が直撃。
 この記事が書かれた、8月現在も小児科開業医4名中2名がまだ、診療施設の再建途中で開業までこぎ着けていない。
 市民病院には小児科医が1名しかおらず、その医師も8月で退職予定。
 昨年までは東北大学や仙台市内の開業医、宮城子ども病院などのサポートで何とか継続されていた。
 今後、暗雲たちもめる。

 開業医もどうしていいかわからない。
 
 私たちの役目は何かと考えたとき、もちろん休日の医療を支えるのも一つ。
 もう一つはこの地域に、来てくれる医師を見つけることかもしれない。
 あるいはそのために何かを手伝うことかもしれない。

 少なくとも、ジャパンハートがそこで診療所をすれば、多くの医療者がそこでお手伝いすることになるし、
 もっと多くの医療者に、あるいは学生にそのことを知らせることができる。

 その中から一人でも、二人でも将来、数年でも、ここにいてくれる人が出ればいいと思う。

 この地域の人は、医師も含めて、一時だけの支援は、あとが大変になるので、かえって拒否するような感じがあるが、そんなことをいっているより、たとえ一時の支援であっても、より多くの人に知ってもらい、一人でもそこに興味を持ってもらうように動いた方がいいと私は思う。

 それを拒否すれば、間違いなく、今までと同じ状況になる。
 いや、ゆっくりと、それ以上に悪くなる。

 行政だけに任せないで、自らも何かアクションを起こすことが大切だと思う。
by japanheart | 2011-11-08 21:52 | 活動記録