膀胱の石に思う
2011年 10月 10日
今、ミャンマーの病院には数人の膀胱結石の子供たちが入院している。
なぜか、ミャンマーは膀胱結石が多い?
子供の結石の手術を毎年数人は行っている。
これは日本ではないことだ。
水の問題か、遺伝的なことなのか、はたまた別の原因か、定かでないが。
ひどい子供は、膀胱の中がすべてたった一つの石で充満している。
さてこの中の一人に、13歳の少年がいる。
13歳といってもとてもおぼこく、ある看護師曰く、これで13歳???って。
見た目は10歳前後。
いつもおもちゃのギターを片手に寝ころがっている。
膀胱にチューブは2本も挿入されているから、仕方ない。
実はこの子供、石を取る手術を行った後、感染がひどくなる。
手術中もおしっこがかなりくさく、感染の危険性が高いと思っていたが、やはり起こした。
最終的には、膀胱を縫った糸がきれいに外れ、膀胱に大きな穴が開いてしまった。
再手術を行い、感染状態がひどい間は、一旦、膀胱を直接、皮膚に縫い付けて感染が収まるのを待っている。
次回、手術を行う予定(10月20日頃)。
それで何かというと、この子供、いつもなぜかニコニコしている。
たまに手を上げて。遠くから挨拶すると、同じように手を上げて返してくる。
笑いかければ、笑い返す。
自分の状況にもかかわらず、この上機嫌、どう。
彼のこのメンタリティーに私たち医療者はずいぶん救われている。
ありがたや!