赤ちゃんの喜び
2005年 10月 18日
生後20日程の赤ちゃんが、私のいる病院にやって来ました。上あごから大きな腫瘍が発生し、日に日にそれが大きくなりとうとうミルクが飲めなくなってしまいました。
私はその腫瘍を手術で取り、ようやく充分にミルクを飲めるようになった時の写真です。
残念ながら、この腫瘍は、悪性のもので、時間が経てば再び同じ状態になると思われました。しかし、この腫瘍を倒すための薬は我々には与えられていません。
大きな町の病院に行って、その薬を続けて使ってもらうように家族に話をしました。おそらく、お金の問題で行っていないと思います。むなしい時間でした。話をするほうも無理だと思って話しているし、聞くほうも無理だと思って聞いている。傷が癒えて退院後、この赤ちゃんとは会っていません。おそらく数ヶ月の寿命かもしれません。でもそれでも、それがこの子の寿命なのだと、自分に言い聞かせています。いつからかそのように私は考えるようになりました。
写真は手術後、おっぱいを飲めるようになったときの写真です。