謙虚さを取り戻す場所
2011年 05月 24日
皆さんは謙虚さを取り戻す場所をもっているだろうか?
年をとると年々歳々、人は謙虚さを失う傾向がある。
ごたぶんに漏れず。
日本で息巻いて、ミャンマーのことや活動のことをいろいろなところで話しをする。
多くの人たちはそれなりに、敬意を払ってその私の活動を評価してくれる。
何度も何度も話していると、どうも人間、僧上慢になっている。
それも知らぬ間に。
治療などすべて上手くいっているはずもないのに、そして口で確かにそう告白しているはずなのに、なぜか心は知らぬ間に、すべて上手くいっているような心持ちになっているのだ。恐ろしい。
だから私は、ミャンマーの、カンボジアの医療現場に帰る。
そして惨めに、汗臭く、じっくり、必死に治療に没頭する。
そして結果はやはり、満足いかないことが多い。
そしてやはり悟るのだ。
私は、なんと大したことがない人間なのだと。
あんな日本で偉そうにみんなに話していたことを後悔する。
恥ずかしくなってしまう。
そうして、謙虚にもう一度、こつこつとがんばらなければと自覚するのだ。
多くの人はどこでこの謙虚さを獲得しているのだろうか?
毎日の生活の中で、どうやって正気を取り戻すのだろうか?
私に海外の医療現場がなければ、すでに破滅していると思う。