ここから始まる本当の勝負
2011年 05月 03日
今から16年前の30歳のとき、たった100万円を握り締め単身、どんな政治体制かも知らずにミャンマーという国へ乗り込んだ。
右も左も全く分からず、ただ医者を志したときから、医療を受けられない人たちのために医療というものを提供したい、それだけを考えてきた。
現地では苦労の連続だった。別にそれは今でも変わっていないが、とにかくいつも困難に向かい合い、潰されそうになりながらも、なんとかのらりくらりとここまでたどり着いた。
気がつけば、数百人の仲間をえ、年間1万人以上の人々に治療をしている。
多分、その影響力は今後もしばらくは増え続けることだろう。
不労所得という言葉があるが、私にとっての所得は、金銭ではなく、本当に医療を必要とする人たちが、医療を受けてくれること。
今私は、国内・海外をいつも動き回る。時に家族と数日休日を過ごすこともある。
そのとき、私自身は医療をしてはいないけれど、今もこの瞬間も、私の数百人の仲間たちは世界のどこかで医療を誰かのために提供している。
私はすっかり大富豪のごとき不労所得(=医療提供による患者たちの健康回復)というものを得ているのだ。私は金は全くないけど、既に大富豪になっているかも。
今回も、一つの困難が私たちの前にやってきた。
何者かによる石巻市渡波ジャパンハート小児診療所施設の突然の取り壊し。
でもね、正直言うと、全然堪えてないよ。
今までこの程度の、痛い目には海外でも国内でも何度もあってきて、まあ、こんなこともあるのかと感じる程度なんだ。本当に嗚咽するくらい苦しいことが今まで何度もあったからね。それに比べればね、大したことない!
それに今回は、日本のみんながついているからね。既に心は大舟に乗っている。
私たちはね、今まで誰にも頼らず、自分の力で海外でも国内でも一からその分野を切り開いてきた経験がある。
お金がなくても、資源がなくても、やって見せれるだろうという、得体の知れない自信があるんだ。
今回の、診療施設取壊しで、心に火がついた。
じゃ、もっと大きいことをしてやろうじゃん!と。
そしてその試みは、既に始まった。
その立ち直りの良さは、私のいいところなんだけど、何と言っても時間がもったいないからね。
既に、もっと確実で大きな小児医療復活の試みのために動き出している。
成功したら、多分、日本中の人が喜んでくれるだろうな。
そして、震災によって傷ついたこの地域の子どもたちのこころと体の健康は取り戻せると信じている。