ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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本当のことを書く

本当のことを書く

 辛いことだけど,本当のことを書きたい。
 医療は現実を見ないで通り過ぎ過ぎることができないから。

 顔の腫瘍の13歳の男の子は,多分もう持たない。
 腫瘍は大きく成長し、皮膚を突き破り、両足はパンパンに腫れている。
 胸にも水かたまり、肺や胸膜に腫瘍が転移しているのだろう。

 荒木看護師に毎日傷の消毒に彼の家まで行ってもらっている。
 本当は僕が行けばいいのかもしれないが、、、。僕には勇気がいることだ。

 もうほとんど立てなくなったその体で、看護師たちが帰るときに必ず玄関まで見送りに来てくれるそうである。
 昨日も帰り際に子どもにもらったマンゴが届けられた。

 医師ではなく、同じ子どもを持つ一人の人間として、本当に耐え難いことだ。

 西洋医学は、悲しい学問だ。
 勝てる範囲が大体、決まっている。

 そして今回は、多分、、、負ける。

 たとえ体が動かなくなっても、脳が死んでも、必ず魂で感じているに違いない。
 そこに親がいてくれることを。
 そこに、誰かの暖かいこころが注がれていることを。

 だから、完全に死ぬまで私たちは寄り添いたい。
 彼がそれを望むかどうかはわからないが、そうしたいのだ。
 
 
Commented by 12262004 at 2010-05-30 01:57 x
それは。。。心の底で感じている。言葉ってやつはやっかいで表現するには必要不可欠だが、伝わらないことが多々ある。今は自分の声しか聞こえない。 それでもいいじゃないか、と思う。 だって大事なものを失った苦痛を感じない人だらけの中で毎日の外界との交流は耐えがたい体験だ。特に先進国の中では。それでも生きる、生かされる。 それは並大抵のつらさではない。言葉にはできない。 
Commented by yoshimi at 2010-06-01 16:46 x
吉岡先生、はじめましてこ。布施でのチャリティコンサートに参加させて頂き、伝えたい事がありましたのでコメント残していきます。先生のお言葉には押しつけがましい言葉は一切なく、川の流れのようにサラサラと私の心の中に入って参りました。チャリティですから寄付が目的なのは当然で、それを前提としてお話される先生の苦悩が伝わって参りました。個人の意見ですが、チャリティとは本来人間の本能の奥底に眠っている良心に問いかけるものだと思います。先生のお言葉はちゃんと私の良心に語りかけてくださいました。実は私今失業中で、自分の事しか考えられない状況なのですが、先生のお話を聞いて今こそチャリティの時だと思いました。人間ってもんはゆとりのある時より、辛く悲しい時の方が良心の痛みを感じるものです。心の広さ狭さではなく、自分の心にどれだけ正直になれるかどうかですね。良いお話を伺ったのに、本も買わず、先生ともお話せず帰って来てしまった事を後悔しております。先生の講演会等があれば是非参加させて頂きますね。どんどん日本の良心を開拓して行って下さい。きっと沢山の方のご賛同頂けると信じています。
Commented by leny at 2010-06-01 22:57 x
こんばんは。

マザーテレサの「関心を持つこと」「寄り添うこと」と云う言葉を思い出しました。「無関心が一番悪い」。日本は物質的な豊かさの中にあっても、「無関心」による「貧困」が救いようがなく深い、と来日時におっしゃっていた記憶があります。

クリスチャンではありませんが、彼女の言葉は、社会的な存在である人間としての在り方の根本を示しているように思っています。

吉岡先生はじめとするみなさんの活動は、彼に届いているでしょうし、周囲の人たちにも届き、やがて引き継がれていくものと思います。
Commented by 藤田竜太郎 at 2010-06-02 11:49 x
担当医師が臨床的脳死。機能廃絶。反応がない。を家族に伝えねばならない事は非常に辛いと思います。
不可逆的である以上、医師は言葉の続けようが無いでしょう。
言葉を受け取った私も、どの位の時間だったのでしょうか?
長い沈黙であったと思います。
担当医師は、私の深い悲しみと長い沈黙に付き合ってくれました。
私は担当医が、吉岡先生と同じ気持ちでいてくれていると思っています。
「必ず魂で感じているに違いない。」
大学病院で、小児脳死臓器提供がはじまる日本で、現場の医師がそれを言葉に出来ないのかも知れません。
自分の中で、はっきりと言葉には出来ていませんでしたが、吉岡先生の言葉に、担当医師の思いを感じる事が出来ました。
心より感謝いたします。

Commented by はに at 2010-06-06 22:29 x
はじめまして
「切り込み隊長ブログ」に引用されていて初めて拝見しました。
印象に残る言葉がいくつかありました。
今後も拝読いたします。
ご挨拶まで。
by japanheart | 2010-05-29 00:35 | 医者の本音 | Comments(5)