ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

厳しくする責任

厳しくする責任

 私はいつも思う事がある。
 患者に何かあった時、何もなかったように元通りになれば幸いだが、もし死んでしまったりしたら、どんなに医者や看護師が責任を取るといっても、どう取ったらいいのか?
何をすれば患者や家族は納得できるのか皆目分からない。

 私は言い訳はしたくない。
 醜いだけだ。
 そして結果も変わらない。

 機械がない、電気が悪い、薬も悪い、あれもこれも十分でない。それでもやっている。
 それでもやると決めたからには、そのせいで何かが起こっても、自分のせいになる。
 はじめから納得済みの話だから。

 今まで数人の患者が死んだ。
 言い訳はいくつもできるが、要は力が足りなかった。
 言い訳なしない。
 私に力がなかった。

 大きな事故は、大きなミスは、小さな流れが集まって大きな川になるようにして起こるものだ。突然、起こりはしない。

 手術場の緩み、日ごろの怠慢さ、今日の体調の不調、スタッフ一人ひとりの心構え、、、、。
 すべてが一つ一つの流れを生み出す。
 そして患者が死ぬ。

 だから私は容赦しない。自分も他人も容赦はしない。
 誰に批判されようと、患者を死なしてしまうよりはましだと思っている。
 もうあのような悲しい光景の数々には生きている間には出会うのはまっぴら御免だと思っている。

 一度でも、たった一度でも自分の力のなさゆえに人を死なせてしまったら、誰でも私のようになるだろう。

 私は死んでいった患者たちの命にかけて、厳しくする。
 優しくしてもらう事が当たり前、手とり足とりが当たり前、なぐさめられて当たり前、怒られるのが不快で育ったいい子ちゃんたちには、分かってもらわなくてもいい。

 もし私の力がもっとあったら、時々、彼らの姿を寝ている時でさえ、思い出すのだ。

 
 
 
by japanheart | 2010-02-10 23:58 | 活動記録 | Comments(0)