ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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一日一生

一日一生

 いつも現地で私の部屋といっても、狭く囲いがあり、木で組み立てたベッドがおいてあるだけのスペースを私が現地に滞在中、掃除を自主的にしてくれている日本人の看護師がいる。

 でも、ちょっと彼女の生活にはムラがあって、夜寝るのが遅い。食生活にもムラがあるし、精神的にも時々ひどく落ち込むときもある。

 そんな彼女が、やはり時々、その掃除をサボることがある。
 とても忙しいとき。
 疲れて大変なとき。

 先日はそれでほとんどサボった。
 そして最終日に私は怒った。
 もちろん彼女が私の部屋を掃除することなど義務でもないし、強制したわけでもない。
 だからやりたくなければやらなくてもいい。
 でも、自分で始めたことだ。

 それでも私は彼女を怒った。

 私たちの人生には時間がない。
 
 日々のわずかな在り方や小さな達成を積み重ねて私たちは少しずつ成長してゆく。
 そしてその成長は強制ではなく、自己の意思で行われればさらに大きくなる。

 たぶん、少しの障害やストレスで自己弁護を重ねて、彼女は今まで何でもあきらめてきたに違いない人なのだ。だからここへ参加し、自分の人生を変えたいと思っている。
 調子のいいときは誰でも他人に親切にできる。でも自分が大変なときでもそれができることが重要なのだ。
 自分の状況がどうあろうと、同じレベルで物事を達成しようという姿勢が。もちろん医療者にとっては。

 やると決めたら、きっとやり遂げようとすること。
 たとえ些細なことでも。
 もちろんこれは誰にでも言えることだ。
 誰でもできないでいることなど山のように抱えている。

 しかし、敢えてそう言うのだ。


 「一日一生」という言葉がある。

 もしこの掃除が自分がこの人のためにできる最後の掃除だったら?
 もしこの食事が家族とできる最後の食事だったら?
 もしこの会話が、この友との生涯最後の会話だったら?
 この手術が私の生涯最後の手術だったら?
 、、、、、、、、、、、?
 もし最後の、、、?



 たぶん私たちはこころを込め、一つ一つ確かめるようにそれを行うだろう。
 真心を生み出すのは、常に自分のこころ。


 人間生まれてきて何を達成できるかどうかはわからない。
 そして、達成したことが成功の全てではない。

 たとえ途中で人生折れても、終わっても、その方向にこころのベクトルが向いていることこそ、成功と呼べる。

 成功、不成功は他人が達成に対して与える規準に過ぎない。
 その人にとっての、人生の真実はその過程にこそある。


 だから、こころを込め一日一生、行為を時間の中につむぎ出してゆく。

 
Commented by 高田勇 at 2010-02-05 07:56 x
以前コメントさせて頂きました高田です。
今回のBlogには非常に強い共感を得ました!!
私も最近そのようなことを考えそしてBlogの中で文章にしていたので
まだまだ未熟な私でありながらも非常に共感を抱きました!!
ありがとうございました。
Commented by 船 上 美津子 at 2010-02-05 20:59 x
ブログをみさせていただいております。
叱られた看護士さん、幸せですね。
最近は ほんとに真剣に叱ってくれつ人が居ません。
わが社にも若い従業員が居ますが、衝突することを嫌います。昔は近所のおじさん、おばさんによく怒られましたけどね。
人を叱るのは大変体力が要ります。相手のことを思うから叱ってくれるんですよね。
先生のブログを見て、いつも反省はするのですが、自分に甘いのはいけませんね。いつか先生の講演を聴きたいと思います。
「一日一生」、
自分で自分を誉められるように、頑張ります。
Commented by あず at 2010-02-13 03:49 x
いつも読ませていただいています。
いつも先生の言葉を読み、
自分の姿勢を正しています。
本当にありがとうございます。
Commented by sari at 2010-02-13 19:18 x
はじめてコメントさせていただきます。
息子は幼い頃から医者になりたい!と言って必死に勉強してきました。
ごく平凡なサラリーマン家庭なので医学部に行かせてあげられるか不安に思いながらもいつか違う夢を持つかもしれないと思っていましたが
息子の気持ちは変わることなく昨年受験そして一浪して今年再び挑戦です。つい先日大分大学の面接に行ったのですが
グループ面接70分の間に3人の面接官の一人がいびきをかいて寝ていたそうです。もう一人もボーっとしている様子。
息子は大分大学も不合格でした。国際医療チームに入って活動したい!
医者になりたい!そのため猛勉強して居眠りする面接官に合否を決められたのか?ちゃんと息子を審査してくれて落ちたのか?
息子と同じグループのほとんどが悲しい結果だったようです。
悔しい思いを抱いたまま今また次の受験に向けて猛勉強中。
先生の様に真剣に向き合う人に息子を面接してほしかったです。
申し訳ありません~この悔しさをどうしたらいいかわからなくて。。。


by japanheart | 2010-02-04 23:35 | 基本 | Comments(4)