生後10日の運命
2009年 12月 29日
今日、生後10日目の男の子がやってきた。体重は2200g。
生まれつき肛門がない。ないから便がでない、いわゆる先天性の腸閉塞。
生まれた村から近くの大きな町の病院に行く。
いくつか検査をされ、結構お金を使うが、ここでは治療が出来ないといわれ、大都市マンダレーの子ども病院に行くように言われる。
産後10日目の母親は父親と一緒に、この数百キロの道程を満員バスに乗りやってきた。
が、、、、。
医者からこの家族には到底払えないお金の金額を提示される。
子どものいのちを諦め帰ろうとした。
ある医者が、私達の存在を教えた。あそこなら手術をしてくれるかもしれない。
そこから1時間再び、ここまで満員バスでやってきた。
既に子どものお腹はパンパンに腫れあがり、口からは便臭がしている。
たぶんギリギリだった。あと1日か2日、遅れていたら多分いのちはなかったかもしれない。
緊急で人工肛門を造る手術をした。
たくさんのガスと便がではじめた。
今は点滴を受けながら、すやすやと眠っている。
隣では母親が疲れて眠っている。
そして、近くのベッドで父親が眠っている。
私といえば、今日、ここにいて良かった。