脳瘤の子ども、退院す
2009年 11月 21日
日本に連れてきた脳瘤の子どもが昨日岡山の病院を退院した。
青山院長をはじめとする、国立病院機構の皆さんには心からお礼と敬意を払いたい。
この日行われた記者会見で、目の前には10台以上のカメラが並び、記者たちが子どもの元気な様子を見守っていたが、私が放ったこのコメントの深い意味を汲み取ってくれた真のジャーナリストが何人いただろうか?
私は次のように言ったのだ。
「この子の親にも言いましたが、この子は多くの病気の代表として日本に来て治療してもらいました。今回の経験で、同じ手術は現地でできませんが、許された現地の環境の中で、どうすれば同じ病気の治療が可能になるか、我々にはそのための多いなる学びの経験でした。」
この子の後ろには同じ病に苦しむ、何万人もの同じ病気の子どもたちがいるということを、そして今回の経験がその多くの人たちに微かな光を与えたものだということを理解してもらえたのだろうか?
今回の14時間に及ぶ手術を100点とすれば、80点の手術を2.5時間で私は達成しなければならない。しかも麻酔は、とても同じにはできない。
病に苦しむ、貧しき多くの人たちの現状と私の決意。
昔、まだ祖父が生きていた頃、小学生の私に祖父がこう言ったのだ。
「技術をつけなさい。技術は誰にもとられない。」
そして、私は今思うのだ。
「技術は他人に盗まれてこそ、そして、盗んでこそ意味があるのだ。」
脳瘤の技術をしっかり盗ませていただきました。