ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

盲目にならない

盲目にならない

 盲目とは、目が見えないことを今回は言わない。

 こころの目のこと、意識の目のことについて話してみたい。

 この組織も、組織ゆえ、多くのものが来て、そして去ってゆく。
 去り方は様々。

 本当に卒業した人もいれば、そうでない人もいる。
 そうでない人の多くは、多分、多く不満がある人たちかもしれない。

 何かにこころを占拠されてしまうと、自分の考え方以外は、すべて排除してしまう習性が人間にはある。
 何か自分を大きく変えようとするとき、必ず苦痛が伴うものだ。
 今ある精神的安定、今までの自分がつくり上げた常識、関係性、基準など全てに修正を迫られるからだ。だから人は大きく反発する。今までの自分の安定にしがみ付こうとする。
 その反発の仕方は、人によっていろいろ。
 他人を攻撃するものもあれば、組織を揶揄するものや、自分より弱い立場の人間に当たるものもいる。

 それらは全て上の段階に行くまでの過程ということもできる。人間は弱いものなのだ。

 しかし、このモーレツな負のパワーに屈して辞めてしまったとき、元の世界に戻ることになる。
 それは1年前、2年前に自分がいた世界だ。
 
 人は時として盲目になる。
 たとえば、ジャパンハートという組織に不満を抱いて辞めてゆく人間は、悪いことばかりしか目に付かないし、それ以外の意見を受け付けない。だから不満を言ってくれる人たちといるのが心地よい。みっともない話だが。

 もしそのとき、両目を開いてみたら、片目で過去が見える。
 1年前、自分がどのような思いで、この組織の門をたたき、そしてどれくらいの人が自分のその思いのために力を貸してくれたのか。そしてどれほどの人が、何も力のない自分を励まし、陰で支え、それを成さしてくれたのか。

 もう一方の目で、未来を見る。本当はどんな自分に成るべきだったのか。どのような世界に身をおき生きてゆきたかったのか。そしてどんな自分に成りたかったのか。

 この世は自分が差し出した以上のリターンなどない。
 不満があれば、自分が差し出したものは大したことがないということだ。どんなに自分が出したつもりでいても。

 両目を塞いでいるから、今の自分のことしか見えない。

 私はあることに気づいている。

 それは、このようみ途中で挫折する人間には、概して、未来のビジョンがないということだ。
 自分がどうなりたいのか?
 何を目指しているのか?
 どのように世の中を変えてゆきたいのか、あるいは、世の中と関わりたいのか?

 漫然として、はっきりしないのだ。
 

 そしてそのことで自分を責めることもなく、不満をさらけ出す。
 そして去ってゆく。
 そして元の世界に戻る。
 かつて自分がいた世界だ。さぞかし心地いいことだろう。

 厄介なことに、その人たちは、それでも自分だけが正しいと信じている。
 たとえ2,30年の人生でも、ただ不満のための不満に終始して、最終的に何か建設的な事を成したことなどほとんどないと知っているはずなのに。

 それで幸せなのかね?
 
 

  


 

 
Commented by at 2009-10-27 19:28 x
 人の命を犠牲にしてまで、続ける意味があるのでしょうか?それは、日本では無く、事故・事件があからさまにならないミャンマーだからですか?人の命・人生の重さの感じ方の違いでしょうか。また、いつか必ず同じ事が起こるでしょう。吉岡さんがこのように思っている以上。
Commented by toyama at 2009-10-28 12:13 x
「盲目になる」と自分に都合のよいことしか目に入らなくなり、自分が苦しいときこそ「盲目であること」を自覚する必要があるということですね。ミャンマーの方々は最後の砦としてジャパンハートの存在を認識し、最後の望みとして門をたたいているのでしょう。「人の命を犠牲にしてまで、続ける意味があるのでしょうか?」という発言は、現地で命をたくそうと覚悟をきめた人々の気持ちを感じると、とても自己中心的に思いました。
そのような世界を超えたところにジャパンハートがあるのだと私は認識しています。いろいろと発言される方がおられるかとは思いますが、皆様お身体に気をつけてこれからも活動を続けてもらいたいです。
ながながと失礼しました。
by japanheart | 2009-10-27 00:24 | 医者の本音 | Comments(2)