特定非営利活動法人ジャパンハート ファウンダー・最高顧問。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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嫉妬

嫉妬

 ミャンマーを知る上でどうしても、知っておきたいキーワードが2つある。
 ひとつは”アナレ”という言葉。これはまた機会があれば説明したい。
 
 そして、もうひとつが”ジェラシー(嫉妬)”という言葉。
 95年からことあるごとにミャンマー人から、発せられる言葉。
 
 いろいろ事がうまく進まず、どうして彼らはそう考えるのだ?と私が聞けば
 それは”ジェラシー”ですと答える。
 なぜミャンマー人のある人は、あのような邪魔をわざわざするのだと聞けば、やはり
 それは”ジェラシー”ですと答える。
 ことあるごとに、この、それは”ジェラシー”ですというフレーズが聞こえてくる。

 私たち日本人には到底意味不明で、支離滅裂なマイナスの言動が彼らにある場合はその多くがこの
 それは”ジェラシー”ですという感情でミャンマー人にはしっくり来るらしい。

 私たちの活動は、それは”ジェラシー”ですというミャンマー人独特のそれとどううまく折り合いをつけていくかに多くの時間と労力を奪われる。
 本当に様々なレベルでこれは蔓延する。

 ある日、病院の電気屋が自分の知り合いを連れてきた。多くの患者を差し置いてすぐに手術してほしいという。 が、予定が立て込んでいて、ほかの人と同じように1月後に手術予定に入れる。
 間違いなく、その日から宿舎は、1週間程度の停電になる。
 
 ある時、何日も不休で患者たちを手術、治療する。患者たちには大変感謝され皆スタッフも満足している。ところが、病院側から突然、手術中止の勧告がなされる。
 日本から来た若い医者に、訓練をさせている。あるいはミャンマー人を実験台に練習している。
 と内外の現地の医者が普段にない、いい連携を見せて言いがかりをつけてやってくる。

 まあ、こんなことがずっと続くのだ。
 こんな意味不明の言動は、日本人には回路がないので彼らのその思考過程がうまく理解できない。

 そこで私たちのミャンマー人スタッフに、どういう風に脳が動いたらそういう風になるのだと私が尋ねる。
 すると現地人スタッフの答えの始まりは必ず、それは”ジェラシー”です、と帰ってくる。

 手術がうまいんじゃ?と恐怖して嫉妬する。日本の医療が進んでいると知っていて、なんとなく恐怖して嫉妬する。お願いを聞いてもらえないと、他人に比べて軽く見られていると恐怖して嫉妬する。

 これを理解するには10年はかかる。
 これも慣習や風俗の一部だと認識すまでに。

 自分たちでは気づかないが、日本人にも日本人独特の嫉妬がある。
 こういう感情をうまく使えば、国すら支配できる可能性がある。

 歴史を少し覗けば、そう思えてならない。

 他人を見て大いに自己を省みなければ。
 


 
Commented by さんたにやん at 2009-10-03 11:11 x
そんなジェラシーが現地の医療活動に支障を与えているのであれば、少しの間冷却期間も必要なのかも。はたしてその冷却期間といものをどうすればよいかは、すぐには思いつかないがしかしながら、先生の手術を持ち望んでいる患者さんも多いのでそれも無理かも。それなら現地人とのディスカッションを重ねるしか無いか?私なら「そんなつまらんことを言うなら日本に引き揚げるよ、日本にも困っている患者さんはたくさんいるんだから、私は誰であろうと困っている患者さんを助けてあげたいだけなのだから」と言ってとりあえず帰国してしまうかも。いい方法とは言えないかもしれないが................。

Commented by ひろちゃん at 2009-10-04 08:33 x
嫉妬、日本にも有ると思います。答えが、出せない、とっても、根深い難しい問題ですね。誰もが、心の中に、必ず持っているものだと、思います。
Commented by hearty at 2009-10-14 16:35 x
嫉妬
世の中すべての諍いは嫉妬によると言います。
嫉妬=妬んでいる暇があるなら努力しろ、、、
日本人は向上心が強いからそう思うかもしれませんが、世界のどこでも諍いは絶えません。
そして近ければ近いほど近親憎悪のごとく互いを憎み、足をひっぱります。

自分の中にもきっとそんな嫉妬の感情はあって、それをあからさまに見せられるとショックだけど、そうはしないだろう自分を誇りに思い日々の仕事に向かうことかもしれません。



Commented by T-yama at 2009-10-15 01:05 x
断固たる思い。嫉妬や色々な事でで行動を停めたくなっても、それを許さない自らへのプライド、行っている事への情熱。
結局はメンバーそれぞれが自分で勝ち得ていくしかないと思います。

故松下幸之助氏が、我社では人間を作っております、ついでに家電製品を作っております的な事を仰っておられたのを思い出しました。
もちろん先生方が患者さんたちを「ついでに」などとは微塵も思っておられない事は故翁の製品への情熱以上なのでしょうけれど。

私は医療関係者でもなく、ただ時折訪緬を行う旅行者としての関わりをミャンマーにおいて持つのみですが、日本人墓地や滞在中の様々な場所での体験、此れまでの日緬の歴史から彼らに対しての思いを持っているつもりでおります者です。

自分に出来る事から少しずつ恩返しをして行こうと思います。
私にとって先生のダイナミズムに溢れる活動は仰ぎ見て眩いばかりの憧れですが、私も私なりに自分が出来る事をやっていきます。
by japanheart | 2009-10-03 00:22 | 基本 | Comments(4)