ジャパンハートの代表。1995年より国際協力医療活動をはじめ、ミャンマー・カンボジアなどで、これまで1万人以上の子どもたちに手術を行ってきた。


by japanheart
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患者様

患者様

今、日本では「患者様」という表現が大流行のようだ。
小さな子どもにも様付けで呼んでいる。

医療というのはサービス業だという認識だろうか。
私が医者になった頃はもちろん「患者さん」という言い方だった。
今でも私はこうしか言わない。

様々な言い分があろうが、多くの医療者はこの「様」という表現をどのように捕らえているのであろうか?

最近、身内が病院にお世話になることが多い私は、この様付けという表現と、実際の医療者たちのあり方に大いにギャップを感じている。
患者の立場からすると、様でもさんでもいいからもっと心を砕いて関わってほしいと思うに違いない。日本社会そのもののあり方を反映したような、表面的な丁寧さなど、うそ臭くどうも違和感を覚える。

患者が求めるレベルのケアーを医療者に求めたら、ほとんどの医療者はいなくなるかもしれない。
最近の看護師たちは5年もすれば、その職場を半分くらいは既にやめている。

最近開業した私の同級生は、看護師に怒ったことはないといっていた。
私のように怒ったりすればすぐにやめてゆくそうだ。
患者のために怒ったとしても。

私はよく思うのは、人の質が落ちれば、やはり医療の質も落ちてしまうということ。
だから質の高い医療をしたければ、質の高い人を育てる必要もある。
そっちが先。

周りを見渡してばかばかしく思えても、自分はまっすぐに、しっかりと医療をやってゆくという決意をすること。結局は、日々の生活こそ自分の人生の質そのものだから、くれぐれも自分で自分を汚さないようにと願う。

一生懸命に患者のために働いて、親しみを込めて「患者さん」と呼ぶのが私には心地いい。
Commented by 華子 at 2009-09-26 02:01 x
自分を信じてがんばります!
ありがとうございます!
Commented by ひろちゃん at 2009-09-26 09:13 x
患者からすれば、呼び方などあまり気にとめて、いないと思います。私の体は、どうなるのだろう、どんな治療をするのだろうと、不安と心配その事だけで頭の中が、いっぱい、いっぱい、になります。少なくとも私は、そうでした。
Commented by Asian Hope at 2009-09-28 12:46 x
いつも本当に素晴らしいコメントを書かれており、感銘いたします。
心を込めて愛を持って接すれば、相手に伝わるはずと考えております。
もし伝わらなかったとしても人として誠意ある行動をすべきだと思います。
Commented by モモ at 2009-09-28 13:14 x
ある図書館では、来館者に対して「いらっしゃいませ」と挨拶するそうです。しかも、外部の方からお辞儀の角度などについてレクチャーを受けるとか…。以前、私も図書館で勤務していましたが、返却などで来られた利用者の方には、もちろん親しみを込めて「こんにちは」とあいさつしていました。少し、悲しいです。そして、もし今後再び図書館で仕事をする機会があったとしても、私にはとても「いらっしゃいませ」とは言えそうもありません、。
Commented by 都筑てんが at 2009-10-17 21:25 x
こんな本がありました。

偽善の医療 (新潮新書): 里見 清一: 本

「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。

…。
……。
………。

「患者さま」とか「医療はサービス業」とか、最初に言い出したのは誰なんでしょうね…。
Commented by 都筑てんが at 2009-10-17 21:26 x
>患者が求めるレベルのケアーを医療者に求めたら、
>ほとんどの医療者はいなくなるかもしれない。

「医療の限界」と「医療ミス」の区別のつかない司法がその後押しをしてますから、このままでは本当にそうなっていくでしょうね…。

「設備不十分な状態で患者を受け入れてはいけない」
(加古川心筋梗塞事件)

「専門外の患者は受け入れてはいけない」
(奈良心タンポナーデ事件)

「18分以内に帝王切開経験者の自然分娩(VBAC)が出来ない病院は受け入れてはいけない」
(福島VBAC訴訟)

などなど…。

日本で「No doctor, no error.」という言葉が現実のものとなる日も、そう遠くないかもしれません。

(奈良や福島は既にそうなってますけどね。)
by japanheart | 2009-09-26 01:17 | 医者の本音 | Comments(6)