看護指導者たちへ
2009年 07月 18日
また、大口を叩くと思われるかもしれないが、将来の看護師達のために、あえて悪者になろう。
今の若い看護師たち、看護師という職業に誇りと可能性を感じているのか?
看護師は医者の、補助じゃない。と本当にはっきり誇りを心から持って言い切れる看護師がいったい何%いるのだろうか?
私は嘆いているのだ。
なぜならば、ジャパンハートは看護師中心の組織だと認識しているからだ。
ここで研修を受けている看護師たちは、自分の能力に目覚め、医療に喜びを感じ始めている中で研修を受けるうちに、医者になりたいと言い出す人も一人や二人ではないからだ。
以下、ある看護師の私にあてた手紙の一部を紹介したい。
「日本の看護の質は決して悪くありません。しかし残念ながら向上してゆくための学びの機会も環境もありません。もっと深く患者と向き合えるための医学の知識と技術を学べる場として、医学部を選び、より患者に入っていける、向き合える、自分らしく子どもたちに母子に手を差し伸べることができるための手段として医者になるという選択をしました。」
大体、こんな感じに皆なっている。
いったい看護師とは何なのだ?
医者になることができない医療者志望のものがなる職業ではないだろう?
看護師の誇りとは何?
指導者達は、看護師をどう育てているのか?
小手先の専門ナースという分野を増やしても、看護師の中で階層ができるだけで、医者との関係性は変わらないだろう。
学びの環境、機会というのは、そういう小手先のことではないはずだ。
看護師そのものに対する学びであり、環境なのだ。
看護師では深く患者と向き合えないという看護師は多い。
そりゃ、毎日、しかも時間ごとに担当の看護師が変われば患者も深い人間関係など結んではこない。
指導者には是非考えてもらいたい。
指導者自体に、自分に、魅力があるか?
ただ単に指導者研修を受けたから、指導者では若い世代は魅力も感じなければ、尊敬もしない。
ただ、権威に怯えて言うことを聞いているだけだ。
そんな中なら、真の教育など生まれるすべも無い。
看護の学校では、真の実践的教育はできない。
患者に接し、責任を負うという環境が教育の前提だ。
だから学生達は甘いのだ。
しかし、本当の問題はそこではなく、看護師になってから、上記のような状況が看護師たちの中にあることに問題がある。
離職率は高い。
なぜか?
医者はそんなに離職率は高くないだろう。
最初の2年は明らかに研修医よりも看護師のほうが給与もいい。
しかし研修医は離職しない。
若い看護師は大量に離職する。
なぜか?
本気で指導者達は考えねばならない。
私は嘆いている。
なぜ、医者である私が看護師に看護師の誇りと夢を与えなければならないのか。
どうして多くの看護指導者がそれを与えられずにきたのか。
私に言わせれば、看護師は本当に魅力と夢のある職業だと思う。
患者の生死、心の痛みに、患者の苦しみに、治療という手段を離れて接することができる唯一の存在。
その気になれば、患者が最も心を開くのは看護師なのだよ。